応援リーダーより

Honolulu2007

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アイディア発ホノルル行き 死を目の前にした時あなたはスタート時点に立てますか?

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心理カウンセラー・メンタルトレーナー
アイディアヒューマンサポートアカデミー 学院長
浮世満理子

<村田さんという人>

知的な人だな・・・と思った。

それが村田さんへの第一印象。アイディア東京校の30期生、いつも講座で顔を合わせて話をしたりする。私たちがチベットの難民の子供たちのために1口チャリティをお願いした時、喜んで賛同してくださった。さらにご自分の会社にかけあって他の社員の人にもすすめてくれて、会社単位でとりまとめをしてくださった。たった数千円のチャリティですら見ず知らずの人のために出さない日本人の中で、人にそれを頼むことは、簡単なようで意外と難しい。しかもそれを淡々とやって下さる。

とりたてて「僕ボランティア大好き」みたいな人の良さそうな顔をしているわけでもない。(失礼!)どちらかというとクールで口数も多くない。無駄なおしゃべりはしなさそうなタイプ。外見も小柄で細いけど、弱々しくは感じない。

に・・・しても・・・こんなに内面に秘めた苦しみと、強さを持っておられた人だったなんて・・・

真実を聞いた時、本当にご本人の事かどうか耳を疑った。言葉が出なかった。‘余命宣告って・・・誰のこと?・・・’

<マカデミアナッツチョコ>

村田さんはその日、ハワイ名物のマカデミアナッツチョコを持ってアイディアにやって来た。

「ホノルル走ってきました」

おおすごい!フルマラソン!!しかもホノルル!!ところが、村田さんのすごさは世界で有名なフルマラソンに出たアスリート・・・そんなもんじゃない。

「あなたの病気はもう治りません。あと余命は―です」

ある日突然医者に告げられる。そんな時に人はどうなる?おどろき、信じられず、否定する。そしてそれが事実だとわかると今度は絶望する。悩みや苦しみなんてものじゃない、自分の全てを失うこと、未来の全てをなくしてしまうことそれが絶望。普通の人間ならみな、絶望する。それが当たり前だとおもう。

そして彼は家の外に出られなくなった。心が閉じて、何も感じなくなった。普通の人間なら当たり前に感じるショック状態におちいった。たったひとりで・・・
閉じこもった、絶望した彼の心に1本の光がさしたことは、彼のメールを読んで頂ければわかる。

そして・・・。「走ろう」
彼は決めた。
そして家の外に出た。

もうその時点で奇跡だと私は思わずにはいられない。なぜならば、ガンなどの末期の患者の多くは大きな2つの苦しみがある。ひとつは体の苦しみ。死が体の中に広がりはじめる症状の苦しみは体験した人でないとわからないくらいのつらさがある、病気によってそれらの症状は異なるとはいえ、共通するのは痛み、苦しみ、尋常でない疲れなど・・・・。もちろんたまには調子のいい日もあるが、悪い日は本当に体中が痛くてつらくて苦しい。

村田さんも調子の悪い日は外に出るのだってつらいはずだ。走れない日だってもちろんあると聞く。万全の体調であってもマラソンができる体をつくり上げるのは並たいていではないだろう。そして私たちの苦しみは体だけではない・・・。もう1つの苦しみは・・心の苦しみ。希望と絶望がいりまじる自分の命の時間の中で、普通の人は体に無理のない、ゆったりとした時間をすごしたいと思うだろう。しかも死の恐怖や苦しみは、精神的な安らぎをたった一時ですら与えてくれないものだと聞く。その二つの苦しみに、24時間こころと体を蝕まれていった時、私たちは何を考え、どんな行動をとるものなんだろう。

彼がとった行動が、どれだけのすごいことか、私は心が震える思いを隠せない。
彼は、そんな苦しみの全てを受け入れて「スタート地点」に立ったのだ。

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