カウンセラーになるための適性とは


価値観の多様化、人間関係の複雑化が進んでいる現代社会。そんな今を生きる私たちには、悩みや精神的な疲労はつきものです。そんな精神的な疲労をケアする仕事、心理カウンセラー。需要や認知度が高まると共に、「心理カウンセラーになりたい」と思う人も増えてくるのではないでしょうか。現在、心理カウンセラーを目指している人の中にも、「実は向いていないんじゃないか」と悩んでおられる方はいると思います。心理カウンセラーに向き、不向きはあるのでしょうか?また、カウンセラーになるための適正について見ていきましょう。

向き不向き

心理カウンセラーとして活動していくためには、一般社団法人全国心理業連合会が公認する全国統一認定資格「プロフェッショナル心理カウンセラー」を取得しなければなりません。すべてはここから始まります。この資格の取得に向けて学んでいる人、また、すでに「一般」の資格を持っているけれど「上級」の取得を目指している人、状況は様々でしょう。そんな皆さんが壁にぶつかってしまったとき、「自分はカウンセラーに向いていないんじゃないか」と思うかもしれません。

しかし、実はカウンセラーに向き不向きは存在していないのです。もちろん、人には得意分野とそうでない分野があることでしょう。しかし、カウンセラーの仕事では、得意分野だけを活かしていくことができます。例えば、保育士の仕事であれば、子供が好きということは絶対条件となります。また、子供や子供を取り巻く周囲の大人たちとのコミュニケーション能力を持っていないと仕事を続けていくことは難しいでしょう。

カウンセラーであれば、子供とのコミュニケーションが得意な人は教育機関で、高齢者とのコミュニケーションが得意な人は福祉施設で……など、活躍の場が多岐にわたるため、言ってしまえば、苦手なことは避けて通ることが可能な職業なのです。ですから、心理カウンセラーとして必要な最低限の知識さえ持っていれば、向き不向きをあまり気にする必要はない、ということになります。それよりも大切なことは、カウンセラー自身がこれまでにどんな経験をし、どんな感情を体験してきたか、ということだといえます。

適性の3パターン

カウンセラーには向き不向きは関係ない、と申し上げましたが、仕事を行っていく上での適性は存在します。しかし、この適性は、心がけ次第でどのような方向にも代えていくことが可能です。カウンセラーに必要な適性とは何か、3つのパターンで説明していきましょう。

クライアントの長所を見つけられる人

カウンセラーの仕事をするには、クライアントときちんと向き合う必要があります。ですから、自分自身の内面とばかり向き合っているのではなく、外側に目を向けること、広い視野で物事を見据える力が求められます。カウンセリングに訪れる人たちは、精神科医の治療を受けるほどでもない、だけど心の傷つきやすい人であると考えられます。ですから、相手をどのような姿勢で受け入れるかが非常に大事になってきます。悩んでいる人、辛い気持ちの人に「もっと頑張りなさい」は禁句といわれるように、頑張れない状態を受け入れることが第一です。相手の短所を指摘することよりも、長所を多く見つけられる人こそがカウンセラーに適しているといえるのです。

クライアントが話しやすい人

初対面の人と話をする、これはカウンセラーにとっても、クライアントにとっても同じです。ですから、カウンセラー自身がリラックスしていることが重要なのです。悩みを打ち明けるというだけでも緊張しているクライアントが、同じように緊張したカウンセラーを見てリラックスできるはずもありません。お互いに緊張した状態では、良い関係性は築けません。クライアントは打ち明けるべきことを満足に話すことができなくなりますし、カウンセラー自身も自分の感情を抑えることに意識が移ってしまいます。そうならないためにできること、それはクライアントがクライアントだと思わず、自分の家族や友人のような気持ちで接することです。

自分の感情と向き合える人

カウンセラーにとって、クライアントの心の中を汲み取るトレーニングは必須です。しかし、相手の感情に共感するあまり自分の感情をむき出しにしてしまうことは、プロのカウンセラーにとってのタブーです。あくまでも外側からクライアントと向き合う必要があるのです。ここがカウンセラーの難しい所でもあり、やりがいのある所ではないでしょうか。自分の感情をコントロールすること、それができるようになるためには、自分の感情と一対一で向き合っていくことが不可欠です。「こんなトラウマがある」「こんな感情に流されやすい」「こういうクライアントに感情移入しやすい」など、予め自分の弱点を知っておき、カウンセリングを行う前に心を安定させておくことを意識しておくと良いです。

人の感情をコントロールする存在になるためには、まず、自分自身の感情をコントロールしなければなりません。カウンセラーとしての知識以上に、こういったトレーニングが重要なのではないでしょうか。



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