プロの心理カウンセラーの仕事とは


パソコンやスマートフォン、インターネットなどが普及して以来、人間関係が希薄化しやすい世の中になってしまいました。それと同時に、人付き合いが難しいと感じる人が多くなったのも事実です。精神的な疲労というものは、時に肉体的な疲労以上に大きな負担となることがあります。肉体的な疲労は、睡眠をとり身体を休めることで大半は回復します。しかし、精神的な疲労は簡単には回復できません。現代社会に生きる私たちにとって、精神的な疲労の回復すなわち心のケアは必要不可欠ともいえます。そんな心のケアを行う仕事、心理カウンセラーについて紹介いたします。

心理カウンセラーとは

まず、はじめに、心理カウンセラーは特別難しい訓練が必要な職種ではないということをお伝えしておきます。つまり、なろうと思えば誰でもなれる職業なのです。しかし、反対に言えば、訓練をしたからといってプロになれるかというと、そうとは限りません。もちろん、カウンセリングをするにあたって、心理学の基礎を学ぶ必要があります。また、初対面の相手に接することの多い仕事ですから、相手に安心感を与え、話しやすい雰囲気をつくるためのコミュニケーション技法を身に着けなければなりません。この技法のことを、心理学では、かかわり行動と呼んでいます。

そういったカウンセリングの勉強はあくまでも前提でしかなく、プロに必要とされるのは、もっと内面的な深さなのです。一度も精神的に疲労したことのない人には、心理カウンセラーはできません。

プロの仕事内容

心理カウンセラーは心のケアを行う人のことをいいます。メインとなる仕事は、精神的な疲労を抱えている人のカウンセリングを行うことです。相手の話をじっくりと聞き、悩みや苦しみを解決するための最善な方法を提案してあげるのがプロの仕事です。よく、「誰かに話すだけでも少し楽になる」ということはありませんか?その原理と同じで、心理カウンセラーに話すこと自体が大きな意味を持っているのです。

混同しやすい職種に、精神科医や心療内科医があります。これらの仕事ではカウンセリングを行った後、薬を処方することがあります。しかし、心理カウンセラーは医者ではないため、薬の処方はできません。つまり、コミュニケーションのみを用いて心のケアをしなければならないのです。

プロフェッショナル心理カウンセラーの資格とは

趣味や善意で心理カウンセラーを行うことはできますが、それを仕事にするには、資格を取る必要があります。心理カウンセラーの資格とは、一般社団法人全国心理業連合会が公認する全国統一認定資格である「プロフェッショナル心理カウンセラー」です。この資格ができるまでは、心理カウンセラーとして活動するための基準となる資格が存在していませんでした。そんな曖昧な状態を回避するため定められた全国統一資格なのです。

また、「プロフェッショナル心理カウンセラー」には、二つの認定基準が設けられています。一つは、心理カウンセラーとしての基礎的な知識を勉強し、カウンセラーとして仕事をするためのベースラインである「一般」。これを取得していなければ心理カウンセラーを名乗ることができないという最低限の資格です。二つ目は、国家資格と同等のレベルとみなされる「上級」。これは、国家資格の精神福祉保健士などと同じ扱いになるため、高いクオリティを要求される資格です。

「上級」の資格を取得するためには、高いカウンセリングスキルはもちろん、十分な実習時間やプロフェッショナル適性などが必要となる他、社会経験が重視されます。人の心をケアする仕事ならではの能力が求められるということでしょう。

活躍できる職場

今の時代、心理カウンセラーが活躍できる場はますます増えていっているといえます。心の回復、ケアをする仕事であるため、当然、医療機関では需要が高いといえます。精神的に疲労している人や悩み、心の病を抱えている人などのカウンセリングを行います。職場として挙げられるのは、病院やクリニック、高齢者施設などです。同様の仕事内容で、一般企業のカウンセリングルームなどに勤めるという選択肢もあります。

また、学校などの教育機関で活躍することもできます。俗にいう「スクールカウンセラー」のことです。学校生活において悩んでいる生徒たちの心の拠り所になるのが心理カウンセラーの存在。また、生徒たちだけでなく、教師からの悩みを受けるのも仕事の一環です。現代の教育現場は複雑化しています。いじめや不登校などの問題から、親との関係性など、様々なアドバイスを行います。子育てや教育で悩んでいる親の相談に乗ることもあります。

心理カウンセラーは、今後ますます需要の高くなる職業です。それと共に活躍できる場はさらに広がりを見せることでしょう。しかし、一般的な職業とは違い、ただ資格を取ったからといって真のプロフェッショナルになることはできません。心理カウンセラーとして人からの信頼を築くためには、自分自身の経験を糧にしていく必要があるのです。



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