目標を持っていることと、持っていないことの差は非常に大きいものがあります。目標を持つことはモチベーションを維持するためにも非常に大切です。逆に目標がないとモチベーションを維持しにくい状況にあるといえるのです。
個人の目標の必要性
目標を持てるかどうかは、何かを達成できた時の達成感につながります。最終的な大きな目標が明確であればあるほど、それにつながる小さな成功にも満足することができ、達成感を得ることができます。もし、最終的な目標が明確になっていないと、結局のところ小さな成功はその時だけのものとしてとらえてしまい、自分がどんな一歩を積み重ねたのか理解できず、不満が募りやすくなります。現状に満足できていないと、こんなことをしても意味がないとか、少しでもつらいと感じた時にそれでもなお頑張ろうという意識がそがれてしまいます。この状態に陥ると、せっかく意味のあることを成し遂げることができているにも関わらず、自分自身でそのことを過小評価し、結局途中で投げ出してしまうという中途半端な状態に陥りかねません。
仕事においては企業が目標を達成し、それに向かってみんなで頑張るという図式が成立していますが、これだけでは自分の幸福ではなく、会社の利益が優先されてしまうかもしれません。会社によって人生の経路が定められてしまう状態ではあ頑張ることができない時代へと現代は変化を遂げてきたのです。そこで重要になるのが、個人としての目標の設定です。
会社の歯車として働くとしても、それが自分にとってどんなメリットになるのか、そして更なるメリットを生むためにどんなことを目標にすればよいのかといった計画な中長期の目標を持って初めて、目の前のつらい仕事も乗り越える力が出るとも言えます。もし、自分にとっては成長の助けにはならなくても、会社の利益のためにこの仕事を行い続けなければいけないという思考回路になってしまうと、自分自身のしていることへの価値があまり見いだせなくなり、辛抱強く続けることが難しくなってしまうでしょう。もっと恐ろしいことに、このように自分なりの目標が持てない状態が続くと更なる大きな問題を抱えてしまう危険性もあるのです。
目標設定がないとどうなってしまうのか
個人的に目標が持てないことに対する危険は非常に深刻なものです。それは個性が死んでしまうことにつながるからです。個性が死ぬとは、言い換えると自分で考える能力が著しく低下することともいえます。例えば、上司から仕事のミスを指摘されたとします。上司になぜこうしたのかと聞かれた場合、たいていは自分なりの考えがあるはずです。単純に手順の確認を怠ったとか、あるいは顧客のために良かれと思ってやったことが裏目に出てしまったとか、理由は様々です。しかし、個人の目標を設定できないでいると、いつのまにかただ言われた仕事をこなすことだけが自分の人生となってしまい、大切なところも自分で考えるということをせず、受動的になってしまうのです。こうなると、なぜ失敗したのかという問いかけにも、自分自身わからないため答えることができません。そのような人が期待するのは、失敗しないような手順をただ教えてほしいということだけです。つまり自分で創意工夫することを忘れてしまうのです。こうなってしまうと、自分の考えや感情が失われ、人生はどんどん負のスパイラルに陥ってしまいます。
指示待ち人間という言葉もあるように、何かを自分で考え切り開くことのできない人は、自分自身のこともしっかりと理解できていないことが多々あります。つまり自分自身と向き合う習慣が確立されていないのです。自分自身と向き合うことができなければ、何かを失敗した時の原因を探ることができません。結果的に何度も同じミスを繰り返してしまうでしょう。しかし、将来的な明確な目標はぼんやりとしていても、その方向性でも役に立ちそうな仕事を選んだり、とりあえず今のところ与えられた仕事をこなしたりしながら、自分を磨いていくことができます。
なりたい自分を見つめよう
目標を個人的に設定するには何が助けになるでしょうか。まずは自分自身を見つめなおしましょう。今している仕事は本当にやりたかった仕事でしょうか。もしやりたかった仕事を行うことができているのであれば、最終的にどんな人になりたいでしょうか。もしやりたかった仕事なわけではないけど、とりあえず就職しているという方は、本当はどんな仕事に就きたいのでしょうか。こうしたことを分析して、いろいろな決定事項を決めるのは人生をどの方向へ歩んでいくのかにもいくのかも左右します。
そしてもし明確に自分を分析することができれば、どんなことをしていても目標につなげるための一歩ととらえることができ、すぐには目に見える成果が出ていないとしても充実感を味わえることになるでしょう。
このように目標を持つことの大切さを考えると負のスパイラルに陥らないように真剣に自分について考える気持ちになってくるのではないでしょうか。