逆境に負けないメンタルのコトバ

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アイディアのメンタルトレーナーが「逆境に負けないメンタルのコトバ」をお届けします。

vol.12 義田 貴士

スポーツジャーナリスト
アイディアメンタルトレーニングセンター
メンタルトレーナー

勝利に輝くチームのモチベーションは、コーチやスタッフが鍵を握る。

vol.12 義田 貴士

解説

チームを勝利に導くモチベーションは、微妙なバランスを要求している。特に、指導的立場にいる「監督」と選手を結ぶコーチやスタッフの存在は重要だ。
「弱いチームに強い指導者が入ってチームの力があがる。そのとき、指導者としての監督が脚光を浴びることが多いですが、実はその後ろに監督の考えをよく理解し、選手にそれを伝えられている「名コーチ」の存在があることが多いです。
ある監督も、負け続けていたチームを優勝チームに変えたり、チームの力を引き上げて結果を出し、名監督と言われた。しかし、同じこの監督がある時期から「勝てるチーム」をつくれなくなっていることがあります。これは、この監督のことをとてもよくわかっていた当時のヘッドコーチの力が大きくて、このヘッドコーチが監督の言っていることを日々の練習や試合の中で、上手く選手に伝えていたんです。
監督と選手の間には距離がある。だからこそ、その間をつなぐヘッドコーチが両者を結び付けていく役割を果たしていかないとチームの力は上手く発揮されないんです。」
義田は、現場で活躍している選手だけではなく、監督やコーチの存在にも目をむけ、チームが強くなるためには何が必要かを探求し続けてきたスポーツジャーナリストだ。
「チームスポーツにおいて、監督は全体を見渡しながら選手たちを導いていくわけですが、普段の選手の本音を聞きやすいのはコーチたち。立場的に厳しいことを言わざるを得ない監督の言葉の意味を、噛み砕いて選手に伝えたり、監督の意向を汲んで、普段から何をすべきか選手に言えるのもコーチたち。監督の采配がチームの隅々にまでいきわたるために、中間にいるコーチたちの存在は大事なものです。」
優れた力を持つ監督がいても、強い選手がいても、人の間をつなぐ役割が機能しなければ、チームとしてまとまらないし、力も発揮されない。リーダーが強いだけではチームは強くならない。チームのメンバーをつなげる存在があるかどうかが鍵となっていくのだ。

アイディア式メンタルトレーニングとしては?

チームを強くするポイントとして、コミュニケーションはよく取り上げられるテーマです。アイディアのメンタルトレーニング式の「アクティブコミュニケーション」で前提としているのは、「全てのコミュニケーションには意図がある」ということ。特に組織(チーム)においては、リーダー(監督)の意図をいかにメンバー間に行き渡らせることができるか、が鍵となります。
「これをめざしていくんだ、これをやっていくんだ、という事がチームメンバーに浸透するためには、語るだけではなく、もっと具体的なものが一緒にならないとチームメンバーがイメージできないことが多いのです。」と解説するのは、メンタルトレーナーの浮世満理子。
「アテネオリンピックで日本男子体操チームが28年ぶりの団体優勝を勝ち取ったのも、このコミュニケーションが鍵の一つ。団体優勝は、常に日本男子体操チームの目標でした。世界大会での成績からも、このときの男子体操チームの力は充分金メダルを狙えるところにありました。でも、「団体金」という共通の目標を選手全員が持てたのは、当時のキャプテン米田功の取ったコミュニケーションが大きく働きました。彼は、食事や風呂など、気兼ねなく話ができる場を使って、「どうしたら金を取れる?」「自分たちは金を狙えるよな」とチームメイトに投げかけ、会話の中で「団体金メダル」へのモチベーションをあげていったんです。」
個人でも金は狙える、種目別でも金は狙える、その中で「団体金」に意識を向けるためには、監督からの呼びかけだけでは難しいが、チームのキャプテンやコーチといった「中間のリーダー」達が、チームとして掲げる目標をどのくらい具体的な姿としてチームメイトに働きかけていけるか、それがチーム全体のモチベーションを上げることにつながるのです。
目標を掲げるだけでは足りません。中間的なリーダーたちが、トップの意図を汲み、より具体的に目標を伝え、チームの結果に貢献できるのはどこなのか、現場できめこまやかに選手に会話をしていくこと、それがチーム全体のモチベーションを上げるために必要なメンタルトレーニングなのです。

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