逆境に負けないメンタルのコトバ

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アイディアのメンタルトレーナーが「逆境に負けないメンタルのコトバ」をお届けします。

vol.13 浮世満理子

プロフェッショナル心理カウンセラー
アイディアメンタルトレーニングセンター
メンタルトレーナー

F1トップレーサーのメンタルは、五感を究極に研ぎ澄まし、その集中力の頂点でリラックスする。

vol.13 浮世満理子

解説

F1のような命がけのモータースポーツにおいて、メンタルのコントロールはとても重要なポイントだ。
日本人で初めてF1とインディカー・シリーズ両方で表彰台に立ったレーシングドライバーの佐藤琢磨も、メンタルトレーナー浮世満理子との対談の中で、メンタルの重要性について語っている。
コンマ一秒を争う競技、しかし、同じ速度を競う陸上競技と違って、F1ドライバーは文字通り命がけの勝負となる。
多くのスポーツは、自分の肉体をいかに限界まで押し上げていくかということがテーマのひとつだ。しかし、モータースポーツは自分の肉体だけではなく、クルマという道具に命を預ける。
動物がもともと持っている速度とエネルギーをはるかに超えるマシーンをいかにコントロールするかということが大きなテーマのひとつだ。もともと、クルマの持つスピードは、自然界に存在する速度を超えている。このギャップが野生動物の交通事故につながっていることは有名な事実だ。何かが自分に迫っていることを察知した動物は、まず、その「何か」を把握するために立ち止まる習性がある。自然界に存在するものであれば、自分に迫ってくるものを把握してから逃げ出しても十分な時間がある。しかしクルマの速度は本能に備わる反射をはるかに上回るため、動物たちは自分の本能に裏切られる結果となる。
これに真っ向から立ち向かうのが、人間という動物の持つ反射を超えるマシーンを介して闘う「レーシングドライバー」というアスリートなのだ。

アイディア式メンタルトレーニングとしては?

まずここで克服していくのは「恐怖心」。マシーンを動かすのは人間です。この人間のコンディションがよくなければ、マシーンもその本来の力を発揮することはできません。これは、肉体のコントロールと同じで、いかに強靭な肉体を持っていても、メンタルが安定しなければ使いこなせないのと同意義。
では、いかに恐怖心を克服していくのか。自分が試合に臨むときに、いかにプラスのイメージを保つことができるかということが鍵になります。
かつて、絶望的な怪我を克服し過酷なリハビリを経て北京オリンピックをめざした米田功氏は、自分の現役最後の演技の時に、お花畑を思い浮かべたそうです。
「とても楽しそうに体操をしている内村選手を見たとき、ベテランである自分が忘れていたのはこういう楽しむ感覚だったと思ったんです。メンタルトレーナーの浮世先生と話をして、お花畑で演技をするというイメージをつくりました。」と、米田氏は語る。
恐怖心を克服し、平静な状態で試合に臨むコンディションができたら、後は集中力。日本女子走り幅跳び日本記録保持者の池田久美子が語ったゾーン体験が大きなヒントになる。
最高に集中してゾーンに入ったときに、池田氏が感じていたのはフィールドに吹く風だった。
極限まで集中した状態は、狭い場所にぐっと押し込められる感覚というよりも、むしろ外界に向かって大きく感覚が開いている状態。ゾーン体験を持つアスリートは、しばしばそのときに聞こえてきた音や皮膚感覚などについて語ることが多いのは、集中すればするほど実は感覚が広く豊かに広がっている状態を指しているのではないだろうか。
「本来集中した状態というのは、とてもポジティブで最大限に力が発揮できる状態。集中力の頂点は、心地よいリラックスでもあるのです。」
浮世の語る集中状態は、とても自由でポジティブなものだ。
その根底にあるのは、結果に対するプラスのイメージ。極限の状況で、成功を思い浮かべるメンタルが究極に質の高い集中の鍵となるのです。

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