チーム制で行うスポーツにおいても、個人賞などがあり個人が評価されることがあります。チームの優勝を優先するために、個人の活躍は見逃す、という状況もあります。個人の評価とチームの評価は、どちらで成果を出すべきなのでしょうか?
自分の評価はチームの評価があってこそもらえる
チームで仕事をしていても、個人の評価は気になるものです。明らかに自分が役に立っていると思うと、その分を評価されたい、と思うのは自然なことです。しかし、個人が評価されるのは、チームが評価されているからこそ、評価されるのです。個人ばかりが評価されてしまうと、評価された本人は喜びとともに驕りも出てきます。自分がいるからチームはここまでできるのだ、と思ってしまうと、それはチームの崩壊につながります。
チームの中で頑張っている人というのは、誰が見ても分かるものです。それを評価されたい、評価されたから偉いのだ、と思ってしまうとチームメイトはしらけてしまうでしょう。チームがあるからこそ、個人の評価もある、ということを忘れてしまうと、チームの中で孤立してしまいます。ライバルがいて、お互いがそう思ってしまうと、チームは分裂してしまうでしょう。個人の評価に重きを置いてしまうと、チームの成長もなくなります。チームの成長がなくなれば、個人の評価もなくなってしまうものなのです。チームとして仕事をしていくのであれば、個人としてのキャリアアップより、チームとしてのステップアップを目指しましょう。そうすることで、個人のスキルもステップアップしていくのです。
チームで出せる成果と個人で出せる成果の違い
チームで出せる成果と個人で出せる成果は、どう考えても個人よりもチームの方が上です。いくら個人の力があり、営業力があり、企画力があっても個人でできることは限られてきます。受注がたくさんあっても、一人ではまかないきれません。結果、一時売り上げがあっても、それは続いていくことはないでしょう。しかし、チームであれば、役割分担ができます。人数もいます。大量の受注にも対応できます。個人としての力には限界がある、ということを忘れないでおきましょう。
いくら自分に能力があっても、チームメイトがいなければ自分のスキルを十分に発揮できないのです。チームメイトがいるからこそ、サポートしてもらうことができ、それが発揮できるのです。チームメイトがいるからこそ、自分の得意な分野をすることができ、スキルを伸ばしていくことができるのです。チームで仕事をしている以上、個人のスキルアップだけを目指すのではなく、チームとしての成果を考えていきましょう。
求められるリーダー像
リーダーになると責任感もあり、仕事を一人でやろうとしてしまう人がいます。リーダーなのだから、人の何倍もがんばって仕事をしなければ評価されない、と思ってしまうのです。しかしその思いはチームの評価ではなくリーダーとしての評価を気にしているだけ、ということになっていることがあります。チームの評価は自分の肩にかかっている、チームが評価されなければ自分がリーダーとしての資質を疑われる、とがんばるのは悪いことではありません。しかしその方法が自分だけがんばる、キャリアアップする、というのは違います。自分だけがんばっていても、もしリーダーがいなくなってしまったら、チームメイトは取り残されてしまうでしょう。
求められるリーダーは第一にチームのことを考えられる人です。仕事ができないチームメイトがいれば、サポートをしながら仕事を教える、仕事ができない原因を一緒に考え、成長させてあげる、という姿勢が大事です。その際に、仕事ができる自分が、仕事ができない部下に教えている、という雰囲気を出してはいけません。部下は自分は仕事ができない、教えてもらうのが当然と、教えられることに甘んじてしまい、自ら仕事を覚えようとしなくなります。また、プライドを傷つけられ素直に指導を受けられなくなります。さらに、委縮してしまうと、思うように仕事を覚えることができなくなることもあります。
リーダーとして指導する際には、同じ目線で、肩を並べて一緒に仕事をするという姿勢が大事です。そして、仕事ができたら、少しでも成長が認められたら褒めてあげましょう。自分に自信がつくことで、さらにスキルはアップしていくでしょう。仕事を楽しみながらできるようになるかもしれません。そのようにチームメイトを育てていけば、チーム全体のスキルが上がっていきます。リーダーがいなくなっても、同じように仕事ができるチーム。そのようなチームを作れるのが理想のリーダーと言えるでしょう。
自分の評価ばかりを気にしているリーダーが率いるチームは、チームが大きく成長することはなく、結果チームリーダーとしての評価を得ることはできません。チームを成長させるリーダーになるには、個人の評価よりも、チームメイト一人ひとりの成長を目指すことで、チーム全体を成長させていくのです。