正しさが正解ではない!正論を振りかざす危険性


正論を振りかざしても、チームメイトの人間性を高めることはできませんし、伝えたいことも伝わりません。正しいことを言われると、がっかりしてしまうということはよくあることです。正論の怖さ、正論の悪影響について考えてみましょう。

可能性をつぶす正論の危険性

世の中に正しいこと、はたくさんあります。正しいことがあるから、危険を伴わずに生活をしていける、ということもあります。しかし、正論を振りかざす人の言うことは、納得できないこともたくさんあります。例えば、「この栄養素を摂れば便秘が解消する」ということが正しいとしても、効果が出る人と、出ない人がいます。効果が出る人にとっては正しいことで、効果が出ない人にとっては正しいことかもしれないけれど、自分にとっては意味のないこと、になります。便秘を解消する栄養素は一つだけではありません。さらに一種類だけではなくさまざまな栄養素を摂ることが大事です。便秘の解消法は一つではなく、いろいろあります。そういったことを議論したり、教えてもらったりすることが大事なことであり、何が正しいのか?を議論することは無意味なことです。しかし、このような正論はいたるところにあるものです。

新企画を提案した時に、その企画はどれくらいの確率で成功するのか?と言われても、確証はありません。それならやらない方がいいのでは?と正論を言われてしまうと、何も言えなくなってしまいます。新しいことに挑戦することもできなくなるでしょう。正しいことでなければ、意見を言えない空気、になってしまうとさまざまな意見を言うことも、新しい提案をすることもできなくなってしまうのです。そうなると、かつて成功した企画だけを行っていくだけで、新しい風は吹かなくなってしまいます。

大事なのは正しい企画について議論することではなく、成功しないと思われる理由や、失敗する要因は何か?など新しい企画の可能性について議論する方が、どんなに生産性が高いでしょうか。最初から正論に従い、何の議論もできないということは、さまざまな可能性を失ってしまうということです。大事なのはいろいろな意見を出し合い、そこからチームメイトが適切だと思うものを取り上げていくことです。

正しさの基準はどの程度設けるべき

もちろん、新しい企画は成功する確率が高い方がいいに決まっています。みすみす失敗しる企画に挑戦することはありません。ただし、なぜ成功するのか?なぜ失敗するのか?を話し合うことは大事です。話し合いの中で、さまざまな意見が出るとしても、それにはある程度の基準は必要です。チームのみなさんが同じ方向を見ているのであれば、おのずと基準は決まってくるでしょう。同じ考えを持っているチームメイトが多いに越したことがありませんが、その基準は6割程度で大丈夫と言われています。残りの4割は個別性として大事にしておきたい意見としておけばいいのです。

役に立たない正論を捨て、多様性を認めよう!

企画案の提案のほかにも、社会人といて会社で仕事をするうえでも、正論がつきまといます。会社の規定はいろいろあるでしょう。遅刻をしてはいけない、車で通勤してはいけない、産前産後休暇はこれだけしか認めない、など信じられないような決まりがある会社もあります。しかし、規程はある意味正論の上に成り立っています。すべてがそうとは限りませんが、出産したら子どもの世話をしなければならなくなり、仕事を急に休むことになると他のスタッフに迷惑がかかる、というのは正論かもしれません。しかし、それは役に立たない正論です。子どもがいても、スタッフ同士が協力することで仕事を進めることができます。子どもがいなくても、急に休まなければならないこともあるでしょう。そういったときには、自然と誰かがサポートをするものです。子どものことだから許されない、というのは考え方が偏っているということではないでしょうか?

チームメイトは年齢も性別も、性格も家族もさまざまです。それぞれに多様性があるのですから、すべてを正しいこと、正しくないこと、で分けてしまうのは無理です。またそうすることで弊害が生まれてしまうでしょう。「これは正しいことではないので受け入れられない」と上司に言われてしまったら、非常に窮屈でモチベーションも上がりません。結婚したら仕事に支障が出るので退職しなければならない、と言われてしまったら、結婚できなくなってしまいます。そのような会社は辞めてしまう人も多いでしょう。さまざまな人がいて事情があることを踏まえ、チーム内での基準があれば正論は関係なく、スムーズに仕事ができるのです。多様性を認めてもらえるチーム、というのは居心地がいいものです。

正論が悪いというわけではありません。正論に縛られて、さまざまな可能性をつぶしてしまうのはもったいない、ということです。チームが成長していくためには、自分たちの正しい基準を持ったうえで、柔軟に対応していく環境が大切です。



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