エンターテイメント研究会 ~薔薇のために~

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『あるがままに、というキーワードが自分らしさにつながる』from 薔薇のために


「薔薇のために」

作者の吉村明美さんは、「生き方としての恋」を描く人で、
恋愛物語というより人生ドラマ。
このマンガは、ブスな女の子の恋物語、といえば
一言で済んじゃうんだけれど、
家族ってなんだろうとか、人を大事にするってなんだろうとか、
きちんとした骨太な話テーマがどっしり軸になっているから
何度読んでも面白いんですよね。

いろんなことを乗り越えて、
最後に主人公のゆりが直面するのは、コンプレックス。
自分はブスでデブだという劣等感から、
せっかくの恋愛もきちんと味わえてない。
ずっと好きで好きでたまらなかった人に
愛されているのに、それを受け入れられない。
「どうせ私なんて」という一言が、
どうしても頭からなくならないんです。

読んでる方はね、
もうそんなことどうだっていいじゃーんって思うんですよね。
それよりすごく素敵なところが
ゆりには山のようにあって、
ゆりの周囲の人は、みんなゆりに助けられてる。
ゆりの素敵な部分が、いろんな人たちのどうしようもない辛さを癒してる。

なのに、ゆり本人は、
私はブスでデブっていうコンプレックスに囚われたままなのよねえ。


心理学に「あるがまま」っていうのを唱えた森田博士がいて、
森田療法を提唱しました。
「〇〇じゃなきゃダメ」という囚われから、
それも含めて全部自分で、
コンプレックスを持った自分もあるがままに、という考え方を提唱しています。
コンプレックスを受け入れていくための9つの法則というのがあって、
自己肯定に辿りつくポイントが、ちゃんとあるんですよね。

どうやって生きる?って、
時々しょうもないぐらいに自分を縛ることがある。
でも、あるがままに、
自分の中にあるステキな花を咲かせる種を信じて、
人の花と比べるのじゃなくて
自分の花を咲かせるしかない。
「薔薇のために」というのは、
作者からのそんなメッセージだと素直にしみてくるんです。

コンプレックスに囚われていると
自分が持っている「素敵」に案外気が付かないことも
あるのかもしれない。
美人とかスタイルがいいとかじゃなくて
ゆりはゆりで素敵なんだよって
読みながら感情移入するのは
もしかしたら、コンプレックスに囚われている
自分への応援なのかもしれません。

コンプレックスとのお付き合いに疲れたときは、ぜひ読んでみてください。


投稿:主任研究員 織田 貴子(上級プロフェッショナル心理カウンセラー、アイディアヒューマンサポートサービス所属)


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