エンターテイメント研究会 ~シティハンター:発達心理学から性格分析~

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『自分の語り方』from シティーハンター


お仕事柄、いろんな方のお話を聴くことが
もちろんですが多いです。
なんといっても、「プロフェッショナル心理カウンセラー」は
「話を聴くプロ」がロゴですから
お話を聴きます。


人がどんなふうに自分を語るかっていうのは
内容もさることながら
「語り方」ってすごくその人を表していて
その語り方には多大なる興味を抱いてしまうのです。


雄弁に「自分」を語る人。
多いんです、今。
なのに、ちっとも聞いてもらえてないと
嘆く人も多いんです。


自分語りがとまらなくなる。
そして、人はそれを聞いてくれない。
そういう自分語りは独りよがりに陥りがちで
誰もが通る「若さゆえのあやまち@シャア」ゾーンの一つ。


別に自分を語るのが悪いわけじゃない。
けれども、語るってことは
相手がいるってことで
相手のことを考えたり気遣ったり
思いやりを持ちながら語るのが
本来の「自分の語り方」なんだと思うのです。


敬語が若干とっちらかっていても
どもったり言い間違えがあったとしても
語彙が少なかったとしても
ちゃんと聞き手を考えながら語れる人からは
あたたかさやおおらかさや
強さややさしさを
すごく感じるんですよね。


で、上級編になってくると今度は
相手のために「語らない」という技を使える人がいて。
これは、なかなか使いこなせてる人はあまりいない。
ここまでくると、うん、人間もものすごく上等な感じがあります。
(わかっててもできないしねー・・・)


で、シティーハンターを見るとぉ・・・

自分の語り方

主人公の冴羽さん。
この人、本当にコミュニケーション下手な人。


というより、
前回も書きましたけれど
少年期とか青年期をすっとばした人生を過ごしたせいか(おそらく)
その中で当然覚えるべきことを
経験せずに来てしまっているから
今、やってるんですね、きっと。


これも、不思議というか納得というか
発達心理学ってあるんですけれど
その中で、こんな風に人間はココロを発達させていくんですよという
段階とかいろいろあるんですけれど
どっかとばすと、ですね、
別のどっかで、やっぱりそのとばした分を
やらなきゃいけないみたいな感じなんですよね。


これ不思議なんですけれどね。


やだやだと、前置詞から逃げ回っても
どうしてもatとかonとかinがついてくるというような・・・


あれ、違うか?


とにかく。
押さえないといけないポイントがココロにはあるらしく
この発達心理のどこを押さえないといけないかを
つかんでいると
結構悩みの整理ができるんです。


冴羽さんは、悩んではいないけれど。
足りないものがあって
シティーハンターの長い物語の中で
その「生きてこなかった人生」を
新宿で生きているように思うのです。


だからねえ。


冴羽さんは、スケベなことを言い散らかしているでしょう。
4-5歳の子がよくやりますよね。
うんちーとか
おっぱいーとか
保育士の女性の先生の胸をむんずとつかんで
怒られても笑っているような。


うん、よくスケベを出して香さんに怒られて
へらへらしてる感じとか?


仲良くなりたいのに
ほかにコミュニケーションの取り方を知らないから
いきなりけんかをふっかけてみて
怒られてむくれているような。


うん、何かというと海坊主さんにちょっかい出して
美樹さんに怒られて拗ねてる感じとか?


「女の子」のほうが「男の子」よりも口達者だから
中学ぐらいの恋愛だと
断然女の子のほうがイイこと言ってて
圧倒されてたり。


自分の内面を言葉にできないものだから
好きって言われると
俺もって言っちゃう感じで
好きって言って!って言われると
まだその言葉に追い付いていない自分の心にどぎまぎして
逆切れしちゃうような
逃げちゃうような・・・


そうです。
アクションシーンを別として
日常のコミュニケーションシーンの冴羽さんを
13,4歳の男の子の絵に
置き換えて読んでみてください。


かわいいから♪


そうです。
彼は一生懸命に学童期から思春期、青春期を生きてる。
人生の宿題に取り組んでいるんですよね。


通常、人が
自分を語れるようになるのは
ようやく大人になりつつある頃からです。
自分を語るためには
自分の中に何が起こっているかをとらえ
それがどういうものなのかを
ある程度客観的に見つめることができる
自我の成熟が必要。


自分が思っていることを
ただ言い散らかしているだけじゃあ
「自分を語る」ことにはなっていない。
語るっていうのは
相手がいるってことだから
相手を尊重する気持ちがなければ
自分を語ることなんてできませんものね。


思いやりは
冴羽さんあるんだけれど
まずとばしたステップを踏んでいただき
それから・・・


まだまだ冴羽さんには課題があるのでした♪


投稿:主任研究員 織田 貴子(上級プロフェッショナル心理カウンセラー、アイディアヒューマンサポートサービス所属)


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