From NY to Japan~一人ひとりの存在の価値~

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ニューヨーク大学に行きました

少し時間があるということで
遠山先生がニューヨーク大学を
案内してもらいました。
 
数多くの著名人を輩出してきた
アメリカでも人気の大学です。
遠山先生の母校の一つでもあります。
 
大きな門、街に溶け込んだつくり、
日本にはない大学の姿。
学歴社会であるアメリカでは
大学卒業が人生を変えるための
大きなポイントになりますが
それだけに、いかに開かれた大学であるかという
仕組みができています。

 
仕事をしながら学び、人生のステップをあげていく。
自分のやりたいと思う道に向けて
頑張ろうとする人たちを応援する仕組み。
 
こういうことをその風景の中に
感じることが出来ました。

The Lesbian, Gay, Bisexual, & Transgender Community Center

ここは、アメリカで最初にオープンしたセンターで
全米で2番目に大きな場所です。
正式なオープンは1983年、ちょうどエイズの問題が
一番荒れていたころでもあります。
 
今日は、特に青年向けのプログラムについて
伺うことができました。
 
子どもたちは何か問題があって
家にも学校にも行き場がなくなると
どこにも行くところがなくなります。
日本でも渋谷にたむろしている若者たちは
他に行くところがないので
道路にいるのです。
  
このセンターでは
学校が終わる3時から夜の7時まで
子どもたちはアポなしに来ることができます。
毎日何かのプログラムがあり
自由に参加ができるのです。

プログラムに参加してもいいし
ただ来てしゃべっているのでもいい。
大事なことは
「来る場所がある」ということなのです。

印象深かったこと。
薬物依存のケースです。
大人の薬物依存の時には
すぐに「やめる」方向でプログラムが組まれるそうですが
子ども(若者)の場合には
そうではないとのこと。
すぐに辞めさせるのではなく、
どうやって減らしていけるかを考えるところから
始めるそうです。
 

つまり、なぜ薬物をやっているかというと
薬物はもちろん問題なんだけれど
そもそも薬物を使うようになるという
元々の問題があるわけです。
多くは、あっちからもこっちからも
「~してはいけない」「~でなければならない」と
家でも家庭でも規制され、否定されていることが
多い中、更にそれを強化することをしても
問題の解決にはならないという考え方。
 
だから、やめさせるようとすることではなく
やめ方を伝えて、自分でやめようとする気持ちを
支援することが大事だと考えられているのです。
 
これは、子どもの問題とかかわる時に
いつも感じること。
薬物、アルコール、性、不登校、引きこもりなど
子どもの問題にかかわっていると
それらは深刻であっても問題の表面であり
問題の本質はもっと違うところにあることが
多いのです。

 
だから、不登校の問題は
学校に行かないことではなく
学校に行かなくしたものは何かということが
本質なのです。
 
このセンターでは
子どもの一人ひとりの居場所を作りながら
問題の本質にしっかりと目を向けて
活動されているんだと実感しました。
 
一日あたり20人から50人、
年間1万人を越える子どもたちが
このセンターを訪れるそうです。

自分のアイデンティティは自分が名乗る

 

ところで、もう一つ印象深かったのは
自分をどんな風に呼んでほしいかを
ご自身の自己紹介でおっしゃったこと。
 
英語では
「彼・彼女・彼ら」と一人称、三人称が
文法上明確に表現されます。
日本のような「あの人」のような表現は
あまりありません。
 
今日ご案内してくれたお二人も
お名前の後に「彼と呼んでください」と
名乗っていますが
LGBTQに対する理解というのは
知識を持つことだけではなく
お互いがお互いの存在に対する敬意を示す
コミュニケーション方法を
身につけることを意味することだと
実感しました。

 

特別視よりも尊重へ

 
アメリカは、他のことでも同じように
福祉や心のケアにおいても
日本よりも進んでいます。
けれども、完璧なものがあるわけではなく
アメリカにおいても進行中なのです。
  
NYやサンフランシスコでは
LGBTQについては
一般の方にも理解されている地域では
ありますが
例えば、今日案内してくださった
ジョンさんは、韓国系アメリカ人で
韓国の文化を背景にしています。
ご家族の方が彼のマイノリティを理解しているかといえば
そこには韓国文化を背景にした
「誤解」も「偏見」もあることを
お話してくれました。
 
1人ひとりの家族から考えれば
マイノリティについては
LGBTQにかかわらず
それを特別で異常でよくないものだと
感じる人も多いことでしょう。
 
大事なことは
それが何かということはもちろんですが
1人ひとりが1人の人間として扱われ
尊重されるべきであるという
人権教育であると
今回の研修ではとても強く感じました。

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