ライブ中継 REPORT
NY4日目 グリーンチムニーズ2日目
今回、アニマルセラピーに興味がある人でも、そうでない人でも「感動した!」というインパクトがあった、グリーンチムニーズ。
子供の教育に携わる人、本質的なセラピーをしたいと思っている人たちには、やはり来て、見て、体験してみるだけで、全然違うレベルのものがあると感じることができます。
グリーンチムニーズ最終日は、朝、現地のインストラクター木下美也子さんの「子供の危機管理能力に対する対応の仕方」から始まりました。子供がストレスをためたとき、それに気づくのは周りの大人ができることです。どんな段階で何をすればいいかということが、実に具体的にわかり易いプログラムです。ぜひ、今後、木下先生を日本にお呼びして、また「集中トレーニングをしていただきたい。」と申し込んでおきました。ぜひ皆さん、楽しみにしていてくださいね。
次のセッションは、グリーンチムニーズでのチームトリートメントの様子をレクチャーしていただきました。やはりこれも奥が深いです。
そして、野生動物のエリアの見学。グリーンチムニーズでは、野生動物のリリースも積極的に行っていて、それを手助けすることが子供たちの教育にかかわってきます。自分が親から捨てられた経験を持つ子供たちは、怪我などで家に帰れなくなった野生動物にとても共感し、熱心に世話をします。しかしそれをペットとして飼い続けるのではなく、きちんと自然に帰す。世話をして愛した動物との別れはさびしいけれど、その別れをまた自分の成長にしていく子供たちの姿は、まさに私たちも学ぶところがたくさんある「生きたプログラム」です。
ここでは動物に教えられ成長していく子供たちの姿に、私たち大人が教えられているのです。そのあとは、盲導犬のブログラム。子供たちが盲導犬を育てていきます。ゴールデンレトリバーを子供の時から、とにかくベッタリとお世話をします。親から愛されなかった子供たちが、献身的にパピー(子犬)の世話をする姿は、感動的でもあります。そして彼らが誇りを持って自分が育てた犬が、やがて自分のもとを離れていくのを心から受け入れ、その犬が盲導犬となって、「人の役に立つのがうれしい。」というのです。日本でも自分のエゴで子供を手元に置いておきたい親が多い中、子供たちの姿には本当に心がうたれます。
そしてランチタイム。子供たちと一緒に食堂でランチをいただきます。子どもたちはいつものびのびと自由にランチを食べます。友達のいない生徒でしょうか、スタッフたちも子供と同じテーブルでランチを食べている姿をみかけます。こんな自然な姿が、まさにグリーンチムニーズの魅力です。
さて、昼からも授業は続きます。午後からは、二つのグループに分かれて、乗馬のクラスと科学の授業に特別に参加見学させていただきました。
次は、動物たちとのかかわりを通して子供たちがいろんなことを学ぶ時間です。カウポーイハットの先生が動物のマペット(人形)を使って、子供たちと楽しくお話。子供たちは皆、それぞれマペットを手にして「動物とかかわるときの注意事項」を読んでいきます。それがあまりに楽しそうで、そこには「ルールを押しつける」といった感じではなく、みんなで楽しくルールを学ぶ姿勢がありました。次には、子供たちと共に雨の中、最近新しい子ブタが来たファームへ。実は、目的はこのかわいい子ブタに会いに行くことではないんです。「子ブタが来たら、前からいた豚はどんな気持ちだと思う?」と先生が子供たちに質問します。「新しい子ブタばかりかわいがるからいやだと感じる」とか「自分の家が他の人によって、侵害されるみたいでいやだ」などと子供たちが答えます。「じゃあ、マギー(前からいる豚)にみんなでご飯をあげよう」と言いながら先生が豚のいるところに子供たちを連れていきます。子供たちは、まるで友達に話かけるように豚に話しかけながら、一生懸命餌をあげます。これは、動物愛護の教育でもあるし、また同時に自分の人間関係を学ぶ教育でもあるのです。ここで印象的だったのは、先生は楽しみながら、子供たちも楽しませているということ。雨の中、外に行くときは、みな先生とお揃いのカウボーイハットをかぶり、サングラスをかけます。革のベストの数が足りなくて取り合いになると「自分たちで話し合って決めなさい。」と言います。“人数分絶対用意しなければならない”ではなくて、“ちゃんと話し合って決める”・・・基本ですけれど、大切な教育です。子どもたちは寒い寒い雨の中、楽しんで豚にご飯をあげていました。そして、最後は、マイケル・カウフマン氏による動物愛護の観点からグリーンチムニーズでのアニマルセラピーについてうかがいました。マイケル氏は、私たちとも、とてもよく交流をしているファームの責任者です。理論的できっちりとした話と、素敵な笑顔がとても魅力的な先生です。
このクラスに、なんと、創設者ドクター・ロスが飛び入り参加。
アニマルセラピーに対する思い、そしてアイディアに対する思い・・・そんなことを熱く語っていただきました。最後は米田さんにむかって「子供たちに運動を教えてあげてよ。」とリクエストがありました。そして、「また、ぜひ来てくださいね。」と握手。米田さんも「本当に、またぜひ来たいです」と答えておられました、将来は、体操を通じて子供たちの教育に携わりたいと思っておられる米田さん。グリーンチムニーズの体制やシステム、そして教育のしくみとかかわるスタッフの熱い思いと意識の高さは、刺激になったと思います。そして、いつか、グリーンチムニーズの子供たちに米田体操クラブの出張教室が実現すれば、本当に素敵なことだと思いました。
グリーンチムニーズは参加者に、大きな感動をあたえてくれます。それはいつも・・いつもです。
最後にドクター・ロスが、私に言いました。「本当に、いつもいつも来てくれて、感謝する。私はもう心臓にペースメーカーを入れたので日本には行けないけれど、また来ておくれ。」と。私も、しっかりハグしながら「もちろん、お父さん!!毎年来るから、絶対元気でいてね。」と答えました。(実は、私はロス博士と親子の契り?を結んでいます(笑)。ロス博士は子供たちを亡くしたことがあり、私は父をすでに亡くしているので、その深い話をしたときから、私は彼を「ダディ」と呼んでいます。)
場所はちがっても言葉は通じなくても、同じ思いがあれば、人の心は通じ合っていられる。ニューヨーク研修が始まって8年目。アイディアの活動は、確実に何かを残し始めています。