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「ふとしたきっかけ」ですべてよくなる
うつ状態からの回復は
ゆっくりかもしれませんが
決してできないわけではありません。
私自身、そのことを信じながら
カウンセリングをきちんと
受けていくなかで
確実に回復に向かっていきます。
毎日毎日「私は私が好きだ。
私はみんなから愛されている。
私はきっとうまくいく」という
おまじないを、鏡に向かって
唱えていました。
まるで言い聞かせるように
そう唱え続けたことが
周囲の人間関係に絶望し
自分自身の心が折れそうに
なったときに、自分の大切な心の内を
守ったのだと思います。
そして大切なのは
ふとしたきっかけです。
例えば、ある男性は
ひどいうつ状態でしたが
プロ野球観戦に行こうと言われて
好きなチームの試合を
みんなで一緒に観に行ったそうです。
そのとき、雨のなかで
ものすごく一生懸命に
チームを応援している応援団を見て
とても感動したそうです。
「あんなに一生懸命、何かに
打ち込めるのはいいな」と思い
そこから、その人のうつは
回復していったそうです。
また、私が担当した
女性のクライアントは
すべてのことに絶望して
「もう、死んでしまおう」
と考えていたと言います。
そして彼女は、思ったそうです。
どうせ死んでしまうから
最後は、思いっきり大笑いして
死んでいこう。
でも、とても自分からは
笑うような気持ちには
なれそうもない。
それから、前から好きだった
お笑いの舞台でも見てみようかな
と思っていました。
そんな彼女があるとき
ふらふらと大阪の街を歩いていると
ふと、お笑いの劇場が目に留まったそうです。
一時間後、彼女は
そのお笑いの舞台を見て
お笑いしていきました。
そして、笑っている自分に
気がついて
「あれ。私、笑ってる。
声を出して笑っている。
なんだ。まだ笑えるんだ」
そう思って、彼女は死ぬのを
やめたそうです。
彼女は今では
よいカウンセラーになっていますが
本当に笑うということを
初めて実感した瞬間だったのでしょう。
あるがままのあなたを
あなた自身が受け入れていく
ができれば、それはとて自然で楽なことです。
大事なのは、力を入れないこと。
こうしなければ、と思わないこと。
だから、あなたのそばに
うつ状態になった人がいる場合も
その人の存在をただ静かに
心から受け入れることが大切なのです。
続きが気になるかたは
「ご家族、友人、自分が
「うつかな？」と思ったとき
読む本」を読んでみてくださいね。
