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vol.09 浮世満理子
プロフェッショナル心理カウンセラー
アイディアメンタルトレーニングセンター
メンタルトレーナー
フィギュアスケートで求められるメンタルは、解放と集中。
この相反する2種類のメンタルが一致した時、奇跡のような輝くパフォーマンスが表現される。
解説
銀盤の上で優美な舞を見せるフィギュアスケート。しかし、わずかなぶれやタイミングの差で、舞は一瞬にして壊れてしまう。
スポーツには、相手と戦う競技もあれば、自らの完成度をどこまでも追求する競技もある。フィギュアスケートは後者だ。
「数分の演技のあいだ、どんなささいなブレも許されない。氷上で見せる演技は、磨き上げられた集中力の結果、あれほどの緻密な動きを見せることができるのです。」
しかし、同時にフィギュアスケートは美の追求でもある。美しさの表現は、張り詰めた集中力とは反対に、自由に軽やかに見える解放された動きからもたらされるもの。
「芸術的な表現に必要なのは、伸びやかさ、自由さ、解放感あふれる感性です。張り詰めた集中力から来る身体の緊張状態では、4回転ジャンプは跳び切らない。フィギュアスケートの難しさは、集中と解放という、一見相反する2つのメンタルを一致させることにあります。その二つが一致したときに、白い氷上に一瞬の芸術が生まれるのです。」
この一瞬に花開く美しさをもたらす2つのメンタルの一致をいかに導いていくか、ここがメンタルトレーナーの役どころだ。
アイディア式メンタルトレーニングとしては?
華麗なジャンプ、しかし、そのジャンプを跳ぶには、非常な集中力が必要です。しかし、この集中力を高めることで身体に緊張反応が起こると、余計な力みが出て、ジャンプは跳び切らないものです。ここで必要なことは、集中しているけれどリラックスしている、いわゆるゾーンの状態に入ること。
ゾーンの状態にいるときには、ものすごい集中の中にいて、かつリラックスして感覚が開いている状態。アテネオリンピックで28年ぶりの金メダルを獲得したとき、団体戦の分け目とも言える重要な山場で鉄棒の演技を決めた米田功氏が、自身のトップメンタルトレーニングの講座の中でゾーンについて触れている。ゾーンに入る、というと特殊なもののように聞こえるが、実際には大好きなことに没頭している感じによく似ているそうだ。
「でも、自分の部屋では読書に没頭できていても、それをオリンピック会場で出来るかどうかなんです。」
そう、非常な集中とリラックス状態を、まさに勝負のその瞬間にもてるかが、メンタルの力なのです。
フィギュアスケートは、正確な動きだけではなく、芸術性が求められます。豊かな感情の表現とは、開放的な外に向かう力。自由で伸びやかなものと、内に向けて一点に全ての力を注ぐ集中の状態、一見相反しているように思われますが、実は、ゾーンの状態からわかるように、研ぎ澄まされた質の高い集中は、感覚をひらき、リラックスを伴うもの。自由でリラックスしたクオリティの高い集中を作る、これがメンタルトレーニングのポイントになっていくのです。
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