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vol.10 米田 功
アテネ五輪金メダリスト
アイディアメンタルトレーニングセンター
メンタルトレーナー
世界の舞台で戦うには、朝目覚めて、パジャマ姿で突然協議をしても成功するくらいまで、徹底したシュミレーションをすること。
絶対に過信しないことです。
解説
アテネオリンピックで、28年ぶりの金メダルを日本男子体操界にもたらしたチームのキャプテンをつとめた米田功。アテネオリンピックでは、試合前の会場練習がなかったという。
「アップができなくても、普段どおりの最高の演技ができる。そういう状態にしておかなかったら、とても戦えないと思ったから、アップなしですぐに演技の練習をする、そういうことをしていました。」
ありとあらゆる状況を考えて、「もし○○だったら」を想定した練習を繰り返したと米田は語る。
「試合前に、よく「大丈夫です」という選手がいるけれど、自分はそんな言葉は信じられない。どんなに練習していても、大丈夫なんてことは絶対にない、不安要素はいくらでもある。」
いつも堂々としたダイナミックな演技を見せていた米田の言葉は、自信にはあふれていても無謀ではない。常に完璧をめざす体操という競技において、繊細という言葉が当てはまるほど慎重だ。
アテネオリンピック、男子体操の試合において、最後にして最大のクライマックスが鉄棒だった。米田にとって得意種目とはいえ、メダルがかかった最後の種目のトップバッター。米田の演技で、流れが決まる究極のプレッシャーがかかるシーン。米田は、鉄棒に向かう前に、両腕を大きく振り回すしぐさを見せる。一見、肩をほぐしているように見えるが・・・。
「あれは、練習なんです。演技の中で一箇所、動きに自信がないところがあって、演技直前までイメージリハーサルで形をなぞっていました。」
鉄棒に飛びつく数秒前。その瞬間まで、徹底して演技の流れを追い、シミュレーションを繰り返す。それが、あの奇跡の金メダルをもたらした力なのかもしれない。
アイディア式メンタルトレーニングとしては?
私たちの中には、ある程度まで来たときに、「ここまできたら、もう大丈夫」という気持ちが働くことがあります。これは、高まるプレッシャーに耐え切れず、これからやってくる勝負どころと向き合えなくなっている状態とも言えます。 「後は、やるだけ」と手放すことなく、演技数秒前までシミュレーションを重ねた米田功のメンタルの強さは、それがたとえば壇上にあがり、いよいよ演技が始まるという直前まで、シミュレーションを重ねたというところにあります。 それができるのは、そこにいたるまでにありとあらゆる想定をしているから。不安にかられるから、失敗のシーンは誰でも考えたくない。しかし、失敗を想定するからこそ、どうしたらいいのかという対応が考えられる。成功を作るメンタルの一つには、「最悪のシミュレーションを考える」ということがあります。それは、とりもなおさず、「現実を見る力。」
それを考えるからこそ、「そこまでやるのか」という努力を重ね、いろんなことを想定内として自分の力の範疇に入れることができる。あえて不安要素と向き合うメンタルが、究極のプレッシャーがかかる場面においても、普段どおりの力を発揮できる自分をつくることができるのです。
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