逆境に負けないメンタルのコトバ

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アイディアのメンタルトレーナーが「逆境に負けないメンタルのコトバ」をお届けします。

vol.18 浮世満理子

プロフェッショナル心理カウンセラー
アイディアメンタルトレーニングセンター
メンタルトレーナー

トップアスリートは
イメージを描く芸術家

vol.18 浮世満理子

解説

「トップアスリートの共通点はいくつかありますが、自分がめざすゴール、理想のイメージが明確なこともその一つなのです。」
そう語る浮世は、アテネオリンピック金メダリストの米田功のエピソードを語る。これは、米田が講師を務めていた「トップメンタルトレーニング」の中でも語っていたことだ。
「ある技を習得しようとするとき、まずは、その技を演技する自分をイメージしていくんです。そのイメージが完成したときに、練習を始めていきます。」
頭の中で完成したイメージ。そのイメージの枠に自分の体をあてはめていく、そうやって技を完成に近付けていく。
「言葉だけで聞くと、なんでもないように聞こえますが、実はこれはとても大変なこと。一瞬一瞬、足のつま先まで、手の指先までの全身の動きをリアルにイメージしないと、できないことなんです。」と浮世は語る。
もちろん、イメージ力だけではなく、そのイメージを実現する高い身体能力も必要だ。
「そのための基礎的な地道な過酷な努力をアスリートは日々重ねていきます。でも、身体能力が高いだけではだめなのです。完成した演技はどういうものなのか、鮮やかではっきりしたイメージを持ちえるからこそ、この言葉が出てくるものなのです。」
トップアスリートは、目標設定が絶妙であることも共通項。これも、成功のイメージ力の高さから来るものだと浮世は言う。
「はっきりしたゴールがあるからこそ、そこに至るまでのステップがイメージできる。天才アスリートと呼ばれる方々の天才の所以は、ゴールとそこに至るまでの過程を明確にイメージできる、そのイメージ力、行動のビジュアライズにあるのかもしれません。」
浮世の語る「天才アスリートたちのイメージ力」。その秘訣はなんだろうか。

アイディア式メンタルトレーニングとしては?

メンタルトレーニングの中で、成功に一番近い要素は「行動」だと言われています。どれだけきらびやかな成功をかざしても、それを達成させる行動なくしては成功はあり得ません。しかし、同時にメンタルトレーニングの中にはこういう言葉があります。
「イメージできない行動は生まれない。」
例えば、健康的な身体を持つ自分をめざそうとしても、何をしたら健康的になれるのか、というイメージが生まれなければ、それは、まさしく絵に描いた餅なのです。
「トップアスリートたちは、豊かなイメージ力を持っている方が多いです。自分が何をしたらいいのか、どういうステップを踏んでいくのか、完成型に向けていく行動が明確にイメージできている。違う言い方をすれば、成功に向けてはっきりとしたビジョンを描いている人が達成を創ることができるということなのです。」
確かに、目標に向けて何かをしようとしたときに、どう行動したらいいのか迷ったりわからなくなったりすることが、挫折を生むことは多いのではないでしょうか。
目標達成に向けて、一つ一つのステップをイメージしていくことができるからこそ、リスク対策をしていくこともできるのかもしれません。
「何かをめざしていくというのは、自分にとっての未知なる領域に入り込んでいくこと。だからこそ、しっかりとした道しるべが必要だったり、未知なるものを照らす明かりが必要だったりします。目標達成において、それは豊かなイメージ力。これから自分が行こうとする道のりを鮮やかに描き切ることが、成功への第一歩なのです。」
多くのアスリートたちとともに、成功と達成へのイメージを紡ぎ続けてきたメンタルトレーナーだからこその言葉がここにあります。
「イメージを生み出すのは創造性。だからこそ、トップアスリートたちは誰もがイメージを描く芸術家なのです。」
たゆまざる努力や高い身体能力とともに、トップアスリートたちのイメージ力に、私たちが学ぶことはとても大きいのかもしれません。

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