逆境に負けないメンタルのコトバ

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アイディアのメンタルトレーナーが「逆境に負けないメンタルのコトバ」をお届けします。

vol.20 義田 貴士

スポーツジャーナリスト
アイディアメンタルトレーニングセンター
メンタルトレーナー

どんな仕事でも飽きればおろそかに、
慣れれば傲慢になる。
一流の野球選手は、本気で野球を好きでいる努力を、努力と思わずのできている。

vol.20 義田 貴士

解説

「彼らはとにかく野球が好きなんです。」と義田氏は語る。
「プロでやっていこうなんて考えるわけですから、とにかく野球が好きで仕方がない。」

-けれど、いくら好きでも、つらかったり苦しかったりする時もあるのでは?
「スランプに落ち込んだり、成績が振るわなくて苦しいという時は確かにあるんです。けれども、それは結局、勝たなければ野球を続けられないということがあるんですね。だって、一軍の自分がだめになったら、大喜びする補欠、二軍の選手は大勢いる。
プロ野球の選手は、プロになったら安泰なんてものじゃない。勝てるか勝てないか、結果を出せるか出せないか、です。
長く続いている選手は、才能があるとか力を持っているからだけではだめで、長く続けられるだけの理由があるんです。」

-その理由とは?
「努力、といってしまえば一言で終わってしまいますが、勝つということがプロにとっては結果の全てです。どれだけ努力したかとか、がんばった、ということだけではなくて結果を出したか出さなかったか、結局はプロとして生き続けるには勝ってきたかどうかしかない。
じゃあ、自分が「勝つ」ために、何が必要なのか、それには『目標を持つ』力が大きい。そして、それを達成するために、自分をどう持っていくかということではないかと思います。」

義田氏は、一流のプロと呼ばれる多くの選手を見つめ続け、今も高校野球チームのメンタルトレーニングを手がけている。
「例えば、ある選手はワン・シーズンの安打数の目標を10年続けてきています。その選手にとって、実現不可能ではないが、たゆまない努力がなければ達成できない数字。常に自分をいい意味で追い込まなければできない、けれども、必ずしも無理すぎる数字ではないという絶妙な設定なのです。
しかも、打率のように一試合ごとに数字が上下するものではなく、蓄積されて見える結果。こんな風に、自分のモチベーションを持続させる目標を設定する力は、長く続ける上で必要なものだと思います。」

-確かに、打率何割、というのが目標になるのかなと思っていましたが、モチベーションを持続させるという効果を考えた目標設定は違うんですね。
「そうですね。結果の蓄積が具体的にわかるようにすること、そして「少し努力すれば出来る目標」、それは今の自分にとって、過大な努力を振り絞るというよりも、ちょっとがんばることを続ければ出来る目標を立てることで、自分をうまく引っ張っていくということだと思うんです。
そういう意味では、目標設定の力は、長く結果を作り続けていく原動力になっていくのです。」

目標設定の力。それは、具体的にどういうものなのだろうか。

アイディア式メンタルトレーニングとしては?

私たちは、目標を設定するときに、リアルさよりも理想を目標にしてしまうことがよくあります。ついつい勢いで「気合と根性」的に行動した結果、途中でエネルギーが切れて尻すぼみになってしまうことも、よくあることです。

目標を達成するには、いかに自分が「継続できるか」というリアルな自分への視点がポイント。
自分が長く続けるためには何が必要か、何をすれば達成にいたるのか、毎日の行動レベルで自分にかける負荷を設定する。それには、現実を直視し、自分をシビアに見つめる目が必要なのです。目標を設定するときに、あまりに今の自分にかけ離れたものを設定すると、「やっても無理だ」という無力感が出てきて、目標がリアルにならない。
人のモチベーションは、「絵に描いた餅」ではあがることはないのです。「絵に描いた餅」であがるのはテンション、モチベーションをあげるには、「できるかもしれない」「自分ならやれるのではないか」というリアルさ、手ごたえが必要なのです。

自分に力を与える目標設定のポイントは、自分にとって「ちょっと上」というリアルさ、継続していくことで「少しずつ達成に近づいていく」手ごたえが感じられる設定であるということです。

例えば、これを打率にしてしまうと、一試合ごとに数字が上下し、自分が目標に近づいているという感覚が生み出されにくいのですが、「何本打ったか」という結果を図ることは、安打を放つたびに蓄積され、目に見える数字につながっていきます。
目標達成に一番必要なものは、気合でも根性でもなく、毎日続ける「行動」。その行動を生み出していくのが「目標への距離感」、今日もひとつ目標に近づいたという小さな達成感。
「今日もひとつ出来た」という目標達成への手ごたえをいかに毎日創っていくか、それを生み出していく目標設定の力が大きな結果をつくりだしていくのです。

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