メンタルトレーナーからみた北京オリンピックレポート

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2008年メンタルトレーナーからみた北京オリンピック

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北京オリンピックを終えて

浮世 満理子

メンタルトレーナー
浮世 満理子

北京オリンピック、シンクロ決勝。
北京から帰った私はテレビで見ていました。

緊張しながらも、精一杯素敵な笑顔を振りまく妖精たちは、とても幼く、強さの中にはかないメンタルを感じられました。
並み居る強い競合たちの中で、ともすればプレッシャーと緊張で壊れてしまいそうな少女達。祈るような気持ちで、妖精たちの心が壊れないように、ひたすら応援していました。

アイディアでカウンセリングやメンタルトレーニングを学び始めた人が、 今まで閉ざしていた心を開いて、自分のことを語る。
しかも、つらい経験を恨むでもなく、嘆くでもなく、ただそれを見つめ前に進もうとしている。一度、前に進む手段を見つけた人は、こんなにもまっすぐで輝くものなのかと感動しました。自分たちを等身大に見つめ、受け入れ、そして前に進む手段を考える。
人間にとってシンプルに幸せになる道なのに、それをやれない人が多いのはどうしてかな、と思ってしまう。

オリンピックで多くのアスリート達のメンタルを見てきて感じるのは、「精一杯頑張りました」という選手たちの言葉。そう、その言葉に嘘はないと思います。でも、負けて悔しいって泣いてもいいのではないかと思います。

本当は、もっと頑張れる筈だったのに、なんで?もっとやれたはずだったのに・・・と本音で泣くのは 今かっこ悪いことなのでしょうか。 シンクロの決勝などで大きなミスが出てそれでも「精一杯やった」と語る選手が、
どことなく硬い表情でそう言わざるを得ないのは、
ちょっとした言葉をとらえて、都合かってのいいことばかり書き立てるメディアに、しなくていい緊張をしている彼女たちの精一杯の心のガードのようにも見えてしまいました。

本当は「うまく出来なかったよ、むちゃくちゃ後悔してるよ」って言って泣いたら、 次はもっと強くなれるのかもしれません。だって・・・勝てると思っているから涙が出るんですよ。 それだけ気持ちが強いってことですよ。人間は安全な場所でないと、涙は出ません。
どんなに悲しくても、どんなに悔しくても、自分が泣ける安全な場所にいないと、ほっとしないから、涙が出ないのです。泣かない選手の心の中は、実はとっても悲しさや悔しさで溢れているのかもしれません。

でも、仲間を責めず、大人の顔で「精一杯頑張りました」という彼女たちの強がりを私たちは、黙って受け入れましょう。そして、メンタルトレーナーはいつも大きな試合が終わった後に必ず「振り返り」をします。 何が出来て何ができなかったか。そのとき、今まで強がった前向きの言葉を綴っていた選手の口から初めて、「くやしい・・」という言葉が出できます。搾り出すように、時計の針がそこで止まってしまったかのように、選手はその悔しかった試合と向かい合い始めます。そうして選手は、また強くなっていきます。自分と向かい合うというメンタルの作業を通じて、また一歩強くなれます。

前に進む手段を見つけたアイディアの受講生たちのように。アスリートたちもまた、前進しはじめるのです。「アフターオリンピック」
日本に戻ったわたし達をまた、次の夢を持った多くの人たちが待ってくれています。

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