近藤ひとみ

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2008年メンタルトレーナーからみた北京オリンピック

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メンタルトレーナー&応援団

近藤 ひとみ

メンタルトレーナー養成コース 実践生
近藤 ひとみ

アイディアとの出会いと北京オリンピック観戦

私がアイディアに入学した時には、まだメンタルトレーニングについてはよくわからなかったのですが、カウンセリングを学んでいくとともに、おもしろそう、何となく普段の生活や会社で役立ちそう、といった興味から受講することにしました。そんな私の、メントレ実践クラスでのはじめての現場は、2006年7月のNHK杯でした。
当時は、実践クラスに出席する実践生は少なく、いつも10人未満という状況。そのためか、初めての現場であるにもかかわらず、初日の集合時から、各選手の状況に関するシェアから始まり、初日の夜には、選手や先生方の宿舎まで行って、回復のイメトレ後のシェアを、終電ギリギリまでお伺いするという、観戦ではなく、かなり中身の濃い現場体験になりました。
その時の緊張感は忘れられない思い出ですし、また、2日間を通じて感じた、メンタルトレーナーってすごいという思いや誇らしく感じた気持ちが、今の自分の出発点になっているように思います。

今回の北京オリンピックを観戦するにあたって、自分でもっていたテーマのひとつは、同じように生で観戦することができた長野オリンピックと、どのような違いを作ることができる自分になっているかを確認することでした。
北京到着第一日目の夜、柔道の内柴選手が見事に優勝し、金メダルを取った場面を目撃することができました。その試合中は、とにかく常に前のめりになっている印象を受けるほど、積極的に前へ出て行く内柴選手の闘志に圧倒される思いでした。他の試合のように、消極的であることを理由に「指導」を取られるという心配は全くなく、キビキビとした動きが続いていました。 しかし、双眼鏡でその表情を見ると、闘志むき出しというのではなく、不思議なほど静かに、ただ真っ直ぐ前を向いて自分のやるべきことをするだけと信じて前に出て行く、そんな印象で、周囲の喧騒は聞こえていないかのように集中して見えました。そして勝利の瞬間。飛び切りの笑顔でした。
表彰式の時、もちろん鳥肌が立つような感動は長野の時と同じで、日本人でよかった、ありがとう、と強く感じましたが、次第に違った感情が沸いてきました。この表彰式は、その日戦った選手たち全員をたたえるための場なのだという思いが、純粋に湧いてきたのです。金メダルに輝いた内柴選手がその代表であり、また、メダルの色は関係なく、表彰台に上っている4人全員が勝者なのだとも感じました。オリンピックという夢の舞台で戦う選手たちは、国も勝敗も関係なく、全ての選手たちが最大の敬意を払うにふさわしいということを、頭や理屈ではなく、肌で感じることができたのだと思います。これが、私の10年前との大きな違いでした。そして戦い終わった内柴選手の涼やかな笑顔。自分で信じることをやりきった人の静かな笑顔が、最高に輝いて見えました。
女子バレーボールでは、選手と監督、コーチとの関係や、監督が選手たちに与える影響力の強さを目の当たりにした感があり、監督やコーチは、みんな、メントレを学ぶ必要があるということを、しみじみと感じました。そしてもう1つ、私が注目した点は、タイムアウトの間の控え選手たちの動きです。タイムアウトになって、プレー中の6人の選手たちが監督を囲んでいる間、控の選手たちがみんな一斉にコートの後方で練習を始める姿が目に留まったのです。試合中は軽く身体を動かすくらいのウォーミングアップしかできないので、この時はボールを使ってのウォーミングアップをします。その姿を見て、一緒に戦っているというだけではなく、「何かあれば私たちがいるから大丈夫。安心して、思い切ってやって」というエールを送っているように感じ、チーム競技の素晴らしさ、奥深さを垣間見たような気がしました。

一人一人のメンタル面のサポートはもちろんですが、今回の北京オリンピックを通して、「チーム」としてのメンタルに対して、非常に強い興味が生まれました。
これは、スポーツの世界に限らず、企業をはじめとするさまざまな組織に共通するものではないかと思います。教育の場や家族というところにも共通することがあるのではないでしょうか。まずは、一人前のメンタルトレーナーになることが第一ですが、これから、チームや組織のメンタルについて、自分なりに考えていきたいと思っています。
この新しいテーマを持ったことが、私の中で、今回の北京オリンピックで得た一番大きなことだったかもしれません。
最後に、「オリンピックは夢の舞台」「何も犠牲にしたとは思っていない。ただ好きなことをやってきただけ」などといった、メダリストたちの話を聞いて、夢や目標を持って、それに向かって進んでいけることが本当に幸せなことであることをあらためて実感しました。このことを忘れずに、これからもカウンセラー、メンタルトレーナーを目指して精進していきたいと思います。

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