陸上男子決勝

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2008年メンタルトレーナーからみた北京オリンピック

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8月16日 土曜日

陸上男子決勝

「鳥の巣」が揺れた、世界最速の記録に立ち会えた歴史的瞬間

ついにやってきました。「鳥の巣」みなさん開会式でご覧になったから、ご存じだと思いますが、この「鳥の巣」が夜は息をのむくらいに美しいんですよ。

陸上実際に「鳥の巣」は、あの開会式が行われたメインの競技場のほかに、「鳥の巣広場」みたいに大きな広場になっていて、そこに、フェンシングや体操、水泳などが行われている体育館などか建っているのです。そして、一番大きな「鳥の巣」で陸上競技がついに始まりました。
今日私たちが見たのは、やり投げ、砲丸投げ、そして女子800メートル、ハードル・・・そしてクライマックスが男子100メートルの決勝です。男子100メートル決勝と言えば、オリンピックの花形種目。楽しみにやってきました。

まず、イメージとしては野球場をもっと大きくしたようなゲートや通路を通って、スタンド席に出ると「おおー」って感じ。
楕円形の大きな観客席にびっしりと観客がひしめいている。すごい数。その上には楕円形に見える、つきぬけるような、すばらしい空。
思わず息をのんでしまいます。

会場はこの世紀の瞬間に立ち会えることで、すでにかなりテンションが上がっている様子。独特の空気が会場を包んでいます。
さて、このハイテンションなそして緊迫した空気感が選手にどんな影響をもたらすのか、かなり興味が出てきます。

走り幅跳びでは、緊張もあってかファウルが続出。
やっぱりああいう大舞台では、「いつもと違う自分」になってしまうのですね。いつもと違う自分」には、「緊張」と「舞い上がり」の二つが挙げられます。「緊張」というのは、体が硬くなり足は震え、ストレスから自分の心身を守るように、苦しい状態です。
「舞い上がり」というのは、逆に、気分が高揚しふわふわと体が舞い上がっていくような状態です。

緊張には自覚症状がありますが、舞い上がりには自覚症状がなく、むしろいつもよりも体が「よく動く感じ」がするのです。
その「よく動く感じ」は当然、本当によく動きます。

試合になると潜在能力が発揮されるこの「よく動く感じ」を、選手たちはよく「試合筋」・・・試合の筋肉といいます。
ところが、この「よく動く感じ」をしっかりと自覚し、その上でそれをコントロールするテクニックがないと、結果としては体が浮きあがりすぎたり、バランスをくずしてしまったりします。
陸上競技は一見シンプルな競技に見えて、すごい身体能力を高めていくモチベーションとコントロールしていくテクニックがとても求められる、究極のスポーツだと思うのです。

今回は、世界新記録の瞬間に立ち会わせていただき、本当に心が震える思いでした。
その瞬間、まるで時間が止まったかのように、みんなが息をのんで、たった100メートルのトラックを見つめていました。そして、すごい勢いで、世界チャンピオンがゴールを駆け抜けていったとき、彼に最大限の拍手喝采を送ったのでした。

「ジャマイカ」という小さな国の選手が、大きな国の選手を打ち破ってのチャンピオン。
けれど、チャンピオンのウイニングランには、どの国の人もどの民族も、すべてが興奮と感動に包まれながら、拍手を送り続けたのです。

チャンピオンはとてもリラックスしているように見えました。
それは「緊張」でも「舞い上がり」でもない「集中」と「リラックス」に見えました。そして、それは間違いなく言葉では語りつくせないほどの努力と苦労と、すべてをかけた果てにつかみとった「集中」と「リラックス」だったのではないかと思います。

人間はまだまだ限界を越えて行ける。
それを見せつけてくれた。
すばらしい人生を見せつけてくれた。
すばらしいチャンピオンに心から感謝です。

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