ふりかえり

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2008年メンタルトレーナーからみた北京オリンピック

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現地リポート photo

8月20日 水曜日

ふりかえり

朝、目が覚めると、さわやかなセミの声。
まぶしい光が窓から気持ちよく差し込みます。
近所の人たちの話し声や子供がはしゃぐ声・・・。

まだ半分うとうとしながら、その声が異国の言葉であることに気がついて、ここが中国だということを思い出します。
たった、二週間と少しでしたが、そのくらい、私たちはこの場所で毎日リラックスして過ごすことができした。その滞在場所から、歩いて10分程度の所に「鳥の巣」がありました。毎日、熱い戦いのスタジアムに出かけ、素晴らしい時間を過ごすことができました。 安くておいしいお料理を食べ、知らない街を一人で散策しても安全なくらいに、オリンピックセキュリティに守られた北京。現地の方には言葉では言いつくせないくらい親切にしていただき、最高の環境で過ごすことができました。

今回は、オリンピックのアスリートたちのドラマをたくさん見てきました。 どの国の選手も国旗を背負う重圧と戦い、胸を張って金メダルを目指す。一生をかけて、この日のために生きてきた才能、努力、そしてほとばしるエネルギーの頂点の戦いに、人として心があるなら感動しない人はいないと思うのです。

日本のメディアを見ることができないので、帰国した彼らに国民の皆様がどんなコメントをしているかわかりませんが、中には「引退?」とか「今後はどうするの?」などと聞かれている様子。
柔道の谷選手、競泳の北島選手はじめ多くの日の丸を輝かせたトップアスリートたちの「今後」は気になるところではあります。

が・・・!!

私は、この北京で、本当に燃え尽きるまで戦い続けてきた選手たちをこの目で見てきました。みんな、その時その瞬間をすべて出し切った人達です。本当に自分が持ち得るすべてを出し切った戦士たちに、あまりせかして「次は?」「そして次は?」と聞き過ぎるのは、やはりちょっと残酷なのではないでしょうか。アイディア式メンタルトレーニングのプログラムの中に「頑張ったことを味わう」というプログラムがあります。懸命に戦った、頑張った自分を心から自己承認し、そしてオリンピックにいけた素晴らしい自分をきちんと受け止め承認しなければ、人間は次に進めない。燃え尽きてしまうし、もう進むことすら苦痛になってしまう。日本の宝物である彼らに、無意識に周囲やメディアがそんな形で追い込んでしまうのは、むごいし、残念だと思いませんか。

銅メダルや、銀メダルなら、次は金メダルといわれる。
金メダルなら、次は二連覇だといわれる。

メダルなんてそんな簡単なものではないし、そもそもそこまで行くこと自体、人生をすべて捧げただけの、すごい偉業を成し遂げているわけです。メダルをもしも逃してしまっても、世界のトップ数人に入っているだけで、ものすごい価値があるということ。 そんなすばらしいアスリートが私たちの国に存在するだけで、私は、本当に誇りに感じる。現地でテレビカメラには映らない彼らの苦しみや、涙をたくさん感じてきたからこそ、そんなことを感じずにはいられないのです。

この日のために毎日ひたすら生きてきた。 この日のためだけに、メダルを目指して戦ってきた戦士たちです。 私は、もし声をかけるとするならば 「お疲れ様でした。あなたは本当に素晴らしい。まずはゆっくり休んでください」
これ以外はないのではないでしょうか。オリンピック期間中に次のことなんて 考えながら戦っている選手は一人もいません。 終わった直後に自分の将来をすぐに答えられるはずはありません。それでなくても、すべてをかけて、全部出し切って、もう絞り出すくらいにすべてを出し切った彼らです。私は、称えたいし、ゆっくりと休んでほしい。 そして、ゆっくりと日本食を食べて、家族とのんびり過ごして・・・ほんの数日でも。
そして、体と心が回復したら、また練習場へ行きゆっくりと深呼吸して、 これからの自分をしっかりと見つめていってほしいと思います。

がんばれニッポン!!

そうです。日本は頑張りましたよ。 彼らは、間違いなく日本のすばらしい宝物です。 そして、それを心から承認して、その上で、「次に向けて」 自分たちのできることを考えていきましょう。
選手だけでなく、すべての人がいろんなことを考え、そして行動に移していきましょう。 頑張った人を批判するだけなら簡単ですからね。 大事なことは周りも含め、「将来のために何をするか」を考え行動に移すことです。
私は、すでに次のオリンピックに向けて自分のできることを考え始めています。

オリンピックって本当にすごいことです。
国も文化も違う私たちが、昔ならきっと出会う機会も一生自分の国から出ることもなく過ごしていたのが、今では、ドイツの人と隣の席で一緒に応援し、イタリアの人に親切にしていただいてありがとう!と手を握り合い、会場で迷った時は、中国の大学生ボランティアの人だけが頼りで、彼女たちの親切な気持ちにどれだけ支えられていたかわからない経験をしました。私は人を支援するメンタルトレーナーですから、人と人とのつながりだけがすべてです。政治的なことには興味はありません。 日本の選手はもちろんのこと、全世界の頑張っている人たちを、全力でメンタル面を支えていきたい。
日本に帰ったら、また今回のオリンピックのビデオをすべて見直し、多くのメンタルトレーナーやトップアスリートたちとディスカッションをし、次に向けてまた歩き出したいと思っています。

目標は、日本をメンタルの一番強い国にすること。
目指すは、メンタルの金メダルです。

毎日本当においしい中華料理をたくさん食べて、心から満足です。
今の希望は、早く帰ってお茶漬けと梅干を食べたいです(笑)

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