「自分はなぜこの仕事を続けているのだろう」「自分が生きていく意味はなんだろう」。こういった「自分自身の存在意義」について悩んだことのある人は多いでしょう。モチベーションを維持して人生を豊かにするためには、自分の存在意義についてしっかり把握しておくことはとても大切です。今回はその必要性と、存在意義を見つけ出す方法についてご紹介しましょう。
「存在意義」とは
存在意義とは、有り体に言えばその者が存在していることの意味や価値、重要性のこと。しかし仕事や人生における存在意義はもっとシンプルで、「生きていく喜び・生きるための楽しみ」を指します。仕事でも人生でも、喜びや楽しみがあればたとえ辛いことがあっても乗り越えることができるでしょう。そしてやりがいや生きがいを感じ、やる気を伴った質の高い生活を送ることができます。しかし近年、この「喜び」や「楽しみ」がなかなか見つけられない方が多いのです。
たとえば「仕事をしていて楽しいと感じる時はどんな時ですか?」という質問を投げかけたとしましょう。その答えは人によって実に様々で、「お給料が入った時」と答える方もいれば、「頑張って開発してきた商品がやっと完成した時」「仲間たちとのコンビネーションがうまくいった時」「お客様からありがとうと言われた時」と答える方もいます。いずれの場合も、ハッキリと「喜びを感じる瞬間」を自覚している人は強いもの。自分自身の軸がしっかりとしているということなので、「喜び」を達成するために多少辛いことや悩みがあってもへこたれません。自分の存在意義は、自分の生きる上での喜びにそのまま繋がっているものです。
あなたの「喜び・楽しみ」は何ですか?一度じっくり考えてみましょう。ただし、「自分の中で完結すること」であることが重要なポイントです。
他人に依存する「存在意義」の危険性
「自分の存在意義」には、大きく分けて「自分の内側だけで完結する存在意義」と「他人に依存する存在意義」の2種類があります。
「自分の内側だけで完結する存在意義」とは、物を作り上げた達成感や、納得がいく物が作れた満足感などです。仕事や絵・文章などを完成させるまでには、悩んだり苦しんだりすることが多いでしょう。しかしそれを乗り越えて最高の形にできた時の達成感は、自分に自信や誇りを与えてくれます。たとえ他者からからの反応がイマイチでも、自分の中で「良い」と思える物であれば軸はブレません。自分自身を評価してあげることができるでしょう。
対して「他人に依存する存在意義」とは、他人からの称賛や評価、もしくは他人の笑顔や「ありがとう」という言葉などです。これは、自分がどんなに頑張ったとしても必ずしも得られるものではありません。相手次第になってしまうので、一生懸命やったのに期待が外れてガッカリしたり落ち込んだりしてしまうことがあります。自分自身の軸がブレてしまい、「なんでこんなことをしているんだろう」という気持ちになる危険性があるでしょう。
仕事や人生に対する意味は、誰かの評価に委ねるものではありません。相手ではなく自分自身が決めるものです。それがたとえ被災地のボランティアだとしても、「ありがとう」という言葉のために行うのではなく、「誰かを助ける」という自分の中の目標を達成するために行いましょう。もちろん、「自分の中で満足いく結果」を出しつつ「相手からも評価された」という結果になれば最高ですね。
「存在意義」を見つけ出す方法
では、どうやって上記のポイントを押さえた自分の存在意義を探せば良いのでしょうか。難しいことはありません。今までの人生の中にヒントがあります。
まずは「今までの人生で、一番達成感を得たことは何だったか」を考えてみましょう。「運動会のために練習して、1位を取った」「何か月もかけて趣味の小説を書ききった」「山に登って朝日を見た時に清々しさを感じた」など、どんなに小さなことでも構いません。そしてその理由を考えてみてください。「ただ単に楽しかったから」「思い通りの結果を出せたから」「ライバルがいたから」など、人によって達成感を得るツボが違うはずです。そのツボこそが、あなたが大切にするべき存在意義なのです。
達成感を得たツボを、仕事や人生に置き換えてみましょう。仕事をしていて喜びを感じるのは、「自分の努力によって成果を出した時」ですか?それとも「ライバルや仲間たちと切磋琢磨している時」ですか?その時の状況や気持ちを思い返すことで、自分が本当に大切にすべき存在意義が見えてくるはずです。「このためなら頑張れる!」という、自分だけの何かを見つけましょう。
自分の存在意義は、生きていく上の重要な指針になります。何かに迷った時や悩んだ時、自分にとって大切なことに従って行動することで後悔のない人生が歩めるでしょう。また年齢や経験によっても少しずつ変化していくので、時々自分自身に問いかけ、存在意義について考えてみてください。