私の人生には空白の期間がある。
まるで全ての感覚を閉じるかのようにただただ天井を見つめて、静かに消えてしまいたいと願っていたあの頃。
息子に言われた言葉が忘れられない。お母さん死ぬなよ…。
これでいいの?これで終わりでいいの?力を振り絞ってアイディアに辿り着いた。
絶望・孤独・罪悪感…自分と向き合う事が怖かった。ありとあらゆる言い訳をつけて抵抗する。
怖さのあまり私の心はトゲだらけになっていたのかもしれない。
ホノルルプロジェクトの話を聞いて涙が止まらなかった。
どれだけの思いでこれからの時間を過していくのだろう。
ささやかな灯火であっても行く道を照らしてあげたい…私は封印していた心の扉を開ける事にした。
この大切なお守りがせめてもの力になりますようにと願う。
心の奥の錆び付きかけていた歯車がゆっくりと動き出した。
応援団にエントリーし現地で4人のランナーの勇姿を見なければ、今の私はなかっただろう。彼らの真っ正面から自分と向かい合っていかれる姿を見て、自分の中途半端さを恥じた。
このままでいいの?
成田に向かう機内で雲の中に沈んで行く太陽を見ながら決めたんだ。もう逃げない!今度はランナーとしてホノルルの地に立とう!!42.195キロってどんな長さなんだろう?何が見え、何を感じるんだろう?私はきっと、魂のバトンを繋ぎたかったんだ。
帰国後4日目の12月16日、無謀とも言える目標に向かって走り出す。耳の感覚がなくなるくらい冷たい風が吹く淀川の堤防を白んでいく梅田の街灯りをたよりに先に見える橋を目指す。50mも走ると息が切れうずくまる。じっとしてると凍えてくるのでまた走り出す。私が決めた事だから、とりあえず続けよう。なんとか1キロ走れるようになった時不格好な自分の姿を見て笑えてきた。よくここまで無茶をする私に付き合ってくれたなぁ…帰ったら暖かいお風呂に入ってさすってやろう。自分の体が愛おしく思えた。
それからも10キロの壁20キロの壁、目標がなかったらここまで来れなかっただろう。あと2ヶ月、時間が加速したかのように過ぎていく。焦り・不安…。まだ私はジョギンガーだ。でもチャレンジャーである事に誇りを持ちたい。精一杯やった。大丈夫、今の私には心の学びと、大切な仲間がいるから、もう1人じゃない!!自分の可能性を信じます。自分の美しい心を信じます。成功するときめました。
そして幸せになるときめました。
みんな、ありがとう…