走るのはこの人
東京渋谷駅前校30期生 村田 清弘
余命宣告を受けた後、2006年のホノルルマラソンに挑戦し、見事完走。
2007年度は多くの仲間、サポーターと共にゴールを目指します。
『風知草』
個人的には好きな「草」なのだが、案外知られていないらしい。
実はこの原稿を起稿するにあたって、周囲の知人に聞いてみた。
「知らない・・・」
「それ何?新種の花?」
・・・この程度である。さすがは僕の友人達である。
調べてみると、イネ科、ウラハグサ属。一属一種で日本特産の多年草。何でウラハグサ(裏葉草)かと言うと、表が裏で裏が表だから。ほ~ら、わかんなくなってきたでしょ!
要するに葉が基部でねじれていて、しかも裏側の方に光沢があるので表裏を間違えやすい、だそうです。
鉄筋コンクリートより風知草の方がいいな、と思う。
鋼(はがね)のような筋肉も必要なのかも知れないが、風知草のようなしなやかな筋肉の方が重要だと思う。練習の前後にストレッチはするが、練習後のストレッチの方に倍の時間をかける。ジムでよく見かけるのがトレーニング後にストレッチを行わないで帰ってしまう人。ドタドタとトレッドミルで走って筋トレをして汗びっしょりでそのまま「お疲れ様」・・・おいおい!・・・これはよくない。NGである。
これは身体的な面での話しだが、「心」の面でも同様なことが言えないだろうか、とぼんやり考えちゃったりする。一見、強靭そうな鉄筋コンクリートでもボーリング一発で粉々である。発破をかければそれまでだし。そうゆう「心」より微風でもそよぎ頼りなげでもしっかりと根を張っている「風知草」の方がいい。しなやかでたおやかで、どんな局面でも対応出来て。
倒れそうでもしっかり根(足元)を持っている、そんな人になりたいな。
そこで何が出てくるかと言うと「イメージトレーニング」である。
練習の前、その日の練習メニューを~ジムの入口を入る場面からワークアウトしてガッツポーズをするところ~までイメージする。実際にワークアウトしてガッツポーズはかなり恥ずかしいので控え目にしちゃったり…
一日のスタートの朝も同様。ベッドに横になったままイメージ(たまにそのまま二度寝…)
する~コーヒー入れてゴハン食べて、おっと、いけねぇ!犬の散歩だ!!会社に行って午前中はこれをやってあれをやってお昼を食べたら午後はそれとあれと…仕事だから突発の仕事も起きたりする。当然である。「でも大丈夫。自分にはできる。落ち着いて冷静に対応すれば出来ないことなんかない」で。「お疲れ様!」で帰路に着くまで~をイメージする。かなり効果がある、ような気がする。
夢を壊すような話しで恐縮だが、ホノルルで走るのにはそれはそれなりに金が掛かる。
エントリーフィーも払うし、事前に準備するものもある。当然、旅費も。去年は懲りたので今年は年初から500円玉貯金を始めた。元々、計画性のカケラも持ち合わせていないのでこれしかないと思った。考えてみたら500円以下の買い物で千円札を出せばおつりに500円玉が入っている。これを「チャリーン♪」と落としていたらかなりの重量になってきた。これも自分対策のつもりである。入れてしまえばこっちのもの。出せないんだもん。使っちゃう誘惑以前に出せない。
常に自分自身に問いかけているような気がする。
「あなたはランナーであると同時に自分自身のコーチでもあるのよ」そう言われた。
名言だと思う。
ところで、この貯金箱・・・どうやって開けるんだろう?