走るのはこの人

Honolulu2007

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アイディア発ホノルル行き 死を目の前にした時あなたはスタート時点に立てますか?

走るのはこの人

東京渋谷駅前校30期生 村田 清弘

余命宣告を受けた後、2006年のホノルルマラソンに挑戦し、見事完走。
2007年度は多くの仲間、サポーターと共にゴールを目指します。

『364日+1日』

年末の忙しい時期によくまぁ休む気になるねぇ」
「すいません」……モゴモゴモゴ……と頭を下げつつズボンに付いたホコリなど何となく取ってみたりする。
「何でハワイまで行ってマラソン走るわけ?信じらんない」
「信じなくてもいいけど難しいことは聞かないでください……」
「どこで買物するの?お土産よろしくね!」
……無茶である。こっちはホノルル行くために500円玉貯金してんだぞぉ!アロハスピリッツに魅せられてしまった村田です。
今年もホノルルに帰ります。

思えば2年前。疾病により休職に追い込まれていた僕が観たのは「2005年 東京国際女子マラソン」。高橋尚子選手が復活の優勝を遂げたレース。右足3ヶ所の肉離れ。ドクターストップを押し切って参加。かつてアテネ行きの切符を逃した屈辱の2003年の同レース。

「止まってしまった私の中の時計の針をもう一度動かしたいんです」

レース前の記者会見、いつものQちゃんスマイルでコメントしていました。
レース後の優勝インタビュー。月桂樹の冠を戴いた彼女はこう言いました。

「2年前のこのレースで私の中の時計の針は止まってしまいました。でも、こうして皆さんの声援で再び時計の針を動かすことができました。本当にありがとうございました!私はこの2年間暗闇の中にいました。陸上を辞めようと思ったこともあります。でも誰にでも一日24時間という平等な時間が与えられているんです。陸上をやっている人もやっていない人も・・・今、暗闇の中にいる人も夢を諦めないでください。諦めずに努力すればきっと夢はかなうんです。」

この言葉はTVを突き抜け直接僕の胸を突きました。

そこからです。「・・・ホノルル・・・走ろう・・・」何の脈略もなく心に浮かんだホノルルマラソン。制限時間もなく、どんな人でも参加できるレース。最後の一人がフィニッシュするまで誰も帰らないボランティア・運営スタッフ。何時間かかろうともフィニッシュしたランナーすべてに平等に与えられるフィニッシャーTシャツ、記念メダル。うん、走ろう・・・夢はかなうんだ。本当にかなえた人がいるんだから。

最初に練習したときの事は今でも覚えています。1kmも走れなかった……でも。「明日は、あの交差点まで」「その次はその先のバス停まで」そうやって走り続けてきました。雨でも雪でも炎天下でも。「夢はかなう」それだけを信じて。人間は他人に嘘をつく動物です。悪意の嘘。優しさゆえの嘘。でも自分自身に嘘をつくことは出来ません。あの日、ホノルルを走ろうと決めた自分に嘘をつきたくなかった。マラソンにはまぐれはない、とよく言われます。練習したら練習したとおりにしか結果はでない。

でも。走った距離は嘘をつきません。努力は裏切りません。人間に不可能はありません。「不可能は可能という結果の途中経過に過ぎない」と言ったのはマイク・タイソンですが、ご存知でしょうか?トップスイマーだったイアン・ソープ。実は彼、子供の頃塩素アレルギーだったんです。

現に。
僕自身、その年の10月には40km走っていました。

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