北京オリンピックに向けてメンタルトレーニング 「1グラムに対して全力投球」
寒い雨の金曜日は野球。
そして土曜日は、体操のメンタルトレーニングに行ってきました。体操は、オリンピック最終選考会を五月に控えて、いよいよ代表選手に向けて気持ちが集中しています。
調子が崩れて、必死で調整している人、
最後の仕上げに全力でがんばっている人、
どんな一流選手だって、油断なんかできません。
誰も「大丈夫」なんて思える人はいなくて、みんなが必死で夢の実現のためにひたすら戦います。しかも、誰一人「大変」とか「つらい」という選手はいないのです。私が、「調子どう?」と聞くと「ちょっと体調がうまくあわなくて大変なんですけど、なんとかがんばります」とか「ここで負けたくないので、がんばります」と、みんな笑顔で答えている。
─不安でないはずはないのに。
でも、最初のころは何をきいても、かたくなに「はい」とか「大丈夫です」としか話さなかった選手たちが、自然にいろんなことを話してくれているのは、本当に前から考えると驚きのオープンマインドぶりだなーと思う。誰にもいえない、いろんな話を、体操の話だけではなくて時にはなにげない日常生活のことや、いろんな雑談まで、話しているうちに、だんだんと戦う戦士から一人の「人」の顔になる。そして、イメージトレーニングでしっかりと回復、リセット。最後は「なんかすっきりしましたー。ありがとうございましたー」と帰っていく。
一流選手は、戦う時のアドバスを求めるために、メンタルトレーナーを利用するのではなく、自分の気持ちや考えを整理をするパートナーとして、客観的でカウンセリングスキルに長けている私たちメンタルトレーナーを上手に利用している。
一人で抱えても戦えますが、うまく、自分の気持ちを整理して、またすっきりと明日から戦えることの効能を知ってる人は、強い。
また、明日から、いよいよ究極の戦いのクライマックスが続く。戦う、アスリート、みんなに出場してほしいと本当にそう願う。それが0自分が楽しくなくなるので、苦痛になったら絶対に続かない。自分の中で、ちゃんと「楽しい状態」にしてあげることです。それともう一つ、「ああ、やめたい」と思っても、ここまではやろうと決めること。
私の場合興味深いのは「ああ、くるしいなぁ、やめたいなー」と思う時間になぜか、靴の紐がほどけてしまった。ついマシンをつめて靴紐を結ぶ。ああ・・やめたい・・・、でもあとまだ7分残っている。もう一度マシンをスタートさせる。何回も紐が解けてしまいには「ええい、何回、紐が解けたって絶対にやめないぞー」と。 いったい誰と戦っているんだか、という前に、ちゃんと靴紐結べよ、と自分に突っ込みました(笑)
このプログはプロのトップアスリート達もたくさん読んでいるので、なんだか、こんなしょっぼい話ですみませんって感じですが、
─ 自分の内面をどんどんさらけだすのは、カウンセラーにとって大切なトレーニングのつもりでもあります。
どうしても私たち自分をきれいに見せたがる。傷つくのが怖いから。アイディアに来ているひとだって、「メンタルを学んでいる」というのすら隠している人もいる。かつての私もそうでした。自分がメンタル不全になったことなんて、絶対に言いたくなかった。ただ、どこかで全部あらいざらい話したときに、すごく心が軽くなったんです。人前で、自分の痛みを話すたびに、ちょっとずつ、それが「過去のもの」になっていくんです。その日以来、自分のために、自分のイケテナイところを話すことが習慣になりました。
─ ここでのポイントは人から慰めの言葉を期待したり人の評価を気にして話すことをしないこと。
まるで独り言の言い捨てのように自分でちゃんとカミングアウトするんです。自分のきれいなところ、かっこいいところばかりを見て愛してくれる人は、本当の意味では信用できない。でも自分の嫌なところも弱いところも全部見て、愛してくれる人は本当にそれは愛だと思う。同情でもなく、依存でもなく、また無理やり元気にするのでもなく、カッコヨク頑張れっていうのでもなく、ただ、こんな私でした。と、皆に向かって言う。
昨日より、少しまた強くなった自分を感じられる瞬間です。
どんどんさらけ出してみよう。
一つさらけ出すたびに強くなれる。同情や、なぐさめの言葉はノーサンキューと言おう。自分を弱くするもとになるから。いけてない自分を、ただ「そうなんだ」と言い切って、笑い飛ばしてみよう。
人から評価される苦痛から脱却することができるから。